もうすぐ夏休み。この日、愛麗たちはイノン騎ノ風店のの水着売り場に来た。海やプールに行くための水着を買いに来たようだ。
麗「凛世も買い替えするの?」
凛「そうですね・・・私も結構大きいほうなので前のがもう入りません。」
嘉「ウチサイズ大きくなったから買いかえんと・・・」
麗「あたしも・・・」
奈「大きいと大変ですわよね。そんなわたくしは去年のがまだ入るので問題ないですわ。」
和「生泉はバスト90cmもあるから毎年買い替えないとだめそうよね。」
麗「あんまり大声でサイズいうな。」
凛「そう言う眞武さんだって買いに来たんじゃないですか。」
和「そうだけど・・・すでに持ってるとはいえ他の奴も来ればよかったのに。」
エ「なら私と行く・・・?」
和「ああ、鷲宮も一人なのね・・・それならあたしたちと一緒に見て回ろうか。」
エ「うん・・・一日よろしく・・・」
水着売り場に着いた愛麗たちは早速売り場を見て回る。と、そこには見覚えのある人が・・・
麗「あ、咲彩に陽姫じゃん。」
咲「あら、愛麗ちゃん達。」
陽「愛麗ちゃんたちも水着買換えに来たの?」
麗「まあね・・・ちょっと大きくなっちゃってね・・・」
陽「わたしもなんだよ~・・・いい加減止まってくれないかなぁ・・・」
和「神宿は付添い?」
咲「そうね・・・私はまだ前の水着着られるから。」
凛「神宿さんみたいに胸が大きくてもサイズが変わらない人もいるんですね。」
咲「うんまあそうなのかもね・・・愛麗ちゃんたちはどうするの?」
麗「あたしたちは自由に見て回るよ。もしあれだったら昼食一緒に食べない?」
嘉「イノン騎ノ風のレストラン街に美味しいお店があるんや。」
陽「わかったよぉ。わたしたち買い物終わったらエレベーターの近くに待ってるから迎えに来てね~」
愛麗たちは咲彩と陽姫に一旦別れを告げると2人ずつに分かれてそれぞれが興味のありそうな水着の売っている売り場に向かった。
嘉月は綺愛麗な茶色の柄が入ったベージュ色のセパレート水着を手に取り、見とれていた。
嘉「このベージュの可愛ええなぁ・・・」
奈「嘉月さんはベージュがお好きですものね。」
嘉「ねえ奈摘ちゃん、これと同じ生地でワンピースのもあるんやけど・・・入ると思う?」
奈「ええと・・・」
奈摘はワンピース水着と嘉月の体型を見比べながらしばらくしてこう言った。
奈「無理はなさらない方がいいと思いますわ・・・嘉月さんの場合ワンピースだと胸もお腹もキツイと思いますわ。」
嘉「ウチってそんなにお腹まわり太いんかなぁ・・・」
嘉月は自分の体を見ながらそう言った。
奈「そんなに気になるのなら着てみればいいですわ。」
嘉「分かったわ・・・ちょっと着てみるで。」
嘉月は試着室に入り、ワンピース水着の方を着てみる。しかしサイズが合わないのかお腹の部分でつかえてしまい、胸が丸出しになってしまう状態だった。
嘉「やっぱりウチの体型やとワンピースはだめやな・・・こっち着てみよ・・・」
嘉月はセパレートの水着の方を手に取り、着てみる。こちらはワンピースとは違いサイズは問題なかった。
嘉「(ウチが見ただけじゃ不安や・・・奈摘ちゃんに見てもらお・・・)」
嘉「奈摘ちゃん・・・」
奈「どうしましたの?」
嘉「水着着てみたから見てくれへん?」
奈「いいですわよ。カーテン開けますわね。」
奈摘はゆっくりとカーテンを開く。そこにはライム色のセパレート水着を身に付けた嘉月がいた。
嘉「どう・・・かな?太ってるの目立たへん?」
奈「素敵だと思いますわ。嘉月さんは体型を気にしすぎなのですわ。それに嘉月さんみたいに肉が少しお腹についていた方が健康的で素敵だと思いますわよ。」
嘉「そうなんかな・・・じゃあこれにしよ!奈摘ちゃんおおきに!」
嘉月は水着を手に取ってレジの方に向かって行った。
奈「こういうこと聞かれるのは慣れてないから大変ですわ・・・」
和琴とエレナは暗色系の水着が多く置かれているところを見て回っていた。
和「鷲宮はなんか色とか希望あるの?」
エ「水色がいい・・・」
和「そう。ならこれなんかどうかしら?」
和琴が手に取った水着は空の模様をあしらった水色の水着だった。
エ「可愛い・・・これにする・・・」
和「ちょっと気が早いんじゃないの・・・着てみてからにしなさい。」
エ「分かった・・・」
エレナは更衣室に入り試着を行った。サイズは問題なかったので結局これにすることにしたようである。
エ「だけど私、義手だから海入れない・・・」
和「心配しなくても大丈夫よもしあれならあたしと織田倉と西園寺で騎馬作ってその上に乗っけてあげるから。」
エ「ありがとう・・・次は和琴ちゃんの水着選ぼう・・・?」
和「そうね・・・夏は山に行ってばかりだったし水着持ってないからなぁ・・・」
和琴は水着を見回しながらそう言った。
エ「これとかどう・・・?」
エレナが渡したのは深緑色のタンキニだった。
和「これ?悪くないじゃない。鷲宮ってセンスいいわね。」
エ「うん・・・それにこれを履けば和琴ちゃんによりよく似合うと思う・・・」
エレナはもう一つ、水着の上に履くようなホットパンツを差し出した。
和「悪くない組み合わせね・・・ちょっと着てみるわ。」
和琴は試着室に入ると、エレナに渡された水着を着てみる。
和「本当に似合ってるのかしら・・・鷲宮、ちょっと見てくれる?」
エ「分かった・・・」
エレナは試着室の中に首だけを入れる。
和「どうかしら・・・?」
エ「こうするともっとかわいい・・・」
エレナは和琴の三つ編みに手をかけ、解いてしまう。
和「ちょっと!何するのよ!髪結うの大変なのに!!!」
エ「ごめんなさい・・・」
和「あ、別に怒ってるわけじゃないのよ・・・ただあたしの髪ってまとめるの大変だから・・・勝手に解かれたりしたらちょっと強く言っちゃうのよ。」
エ「ごめんなさい・・・だけど和琴ちゃんは髪下ろした方が素敵・・・」
和「うん、だけどこれにするわ。鷲宮はそこそこセンスいいから、あんたを信じて今年の夏はこの水着を着てみることにする。髪は解かないけど。」
エ「分かった・・・」
エレナはそう言うと先に水着を持ってレジの方に向かって行った。
和「(まったく、天才の考えてることは分からないわ・・・)」
和琴は解かれた髪を編み直してからエレナを追いかけるようにしてレジに向かった。
愛麗と凛世も売り場を見て回っていた。
麗「あたしできればこういうの着たくないんだよね。足の傷目立つし。」
凛「愛麗は足に傷ありますものね・・・」
麗「ねえ凛世・・・サロペットとパーカー来ちゃダメ?」
凛「それだと愛麗のセクシーさが失われてしまう気がします。」
麗「別にそう言うの見せびらかしたいわけじゃないんだけど・・・」
凛「あ、パレオならいいんじゃないですか!前の水着の時もパレオ着けてましたし。」
麗「パレオか・・・別にあれでもいいんだけど動きにくくてね・・・」
凛「愛麗、これはどうですか?」
麗「凛世、あたしの話をきい・・・」
凛「聞いてますよ。ですけど愛麗は胸が大きいですし、厚着すると太って見えますよ。身長も低いですし、小太りだと思われるかも・・・」
麗「結構言うわね・・・そんなにあたしにビキニ着せたいのね。・・・負けたわ。これにしてみる。」
愛麗はそう言うと既に選んでいたと思われる、ハイビスカスの模様が施された濃い紫色の水着と紫色のパレオを手に取った。
麗「ちょっとこれ着てみるから・・・見てくれる?」
愛麗はそう言うと手に取った水着とパレオを試着室の中で着てみる。
しばらくすると試着室のカーテンが開き、水着とパレオを身に付けた愛麗がいた。
麗「どう・・・かな・・・?」
凛「素敵です愛麗!!!」
麗「そこまでほめられると嬉しいわね。人前で着るのは少し恥ずかしい気がするけど・・・うん、これにするわ。それと凛世。」
凛「なんですか?」
麗「これ、あたしに勇気をくれたお礼ね。」(chu)
凛「はわわ・・・愛麗最高ですありがとうございます!」
麗「また今度、買い物デートしようね。」
水着とパレオを持ってレジに向かう。愛麗の後ろで凛世はこんなことを考えていた。
凛「(今日の愛麗信じられないぐらい優しいです・・・)」
そして買い物終了後・・・
麗「さて全員必要な物はそろったし、咲彩と陽姫を迎えに行きましょうか。」
愛麗たちはエレベーター前に向かった。
そこにはすでに買い物を終えた咲彩と陽姫が待っていた。
咲「あれ、ずいぶん遅かったんだね。」
陽「悩んじゃうよねこういうのって。」
嘉「ウチら結構悩んだからなぁ・・・」
麗「別にいいでしょうが・・・女の子には服を選ぶ時間が必要なのよ。」
和「まあ水着も服みたいなもんだしこれぐらいかかるでしょ。」
奈「さて、昼食を食べに行きましょう。嘉月さん、レストラン街は何階でしたっけ?」
嘉「3階やで。今エレベータ呼んだからこれに乗って行くで。」
咲「らっちゃんたちがどんな水着選んだのか気になるなぁ。」
麗「そんなに気になんの?」
和「当日のお楽しみの方がいいんじゃないの。」
咲「それもそうだね・・・当日の楽しみにとっておくよ。楽しみだなぁ・・・」
エ「咲彩ちゃん楽しそう・・・」
凛「楽しみを作るとその分気分が楽しくなるんですよね。さ、エレベータが来たのでレストラン街に行きましょうか。」
こうして、夏のイベントのための買い物は終わりを告げた。1組の皆は後にプールやスパリゾートへ行くことになるのだが、それはまた別の話である。