櫻子の家でクリスマスパーティ

今日は12月24日。聖夜のお祭りクリスマスイブだ。1組の生徒たちはクリスマスパーティをするために櫻子の家にあつまっていた。
咲「塩車さん、この家って・・・」
櫻「自分の家だよ。今日は将之介さん編集者さんたちと東京で忘年会しているから自由に使っていいってさ。」
奈「とても御綺愛麗なお家ですわね。」
櫻「ありがと。普段二人暮らしだから使ってない部屋多いんだよね。」
櫻子によると手前の部屋・・・キッチンはともかくリビングらしき部屋はほとんど使用していないとのこと。
そのため今回のクリスマスパーティの会場にしたらどうかと自ら咲彩たちに提案したのである。
櫻「それより、飾りつけはどれぐらい進んでいるの?」
咲「そうだね・・・はるちゃん、今どれぐらい?」
陽「大体終わってるよぉ~。時間かかっちゃってごめんねぇ。」
部屋の壁には器用な柚歌作の飾りが綺愛麗に飾り付けられていた。
柚「陽姫ちゃんの作業スピードを考えて僕が事前にいろいろ作っておいたんだよ。当時作るとなると急ピッチで作らなきゃいけなくなるしね。」
水「これ終わったら今度はツリーの飾りつけしないとな。」
奈「飾りはわたくしが用意しておきましたわ。」
そういうと奈摘は中ぐらいの箱のふたを開け、中身を見せる。中にはツリー用の飾りがたくさん入っていた。
咲「クリスマスだけあって豪華ね。」
柚「そういえば・・・LEDライトはないんだね。」
奈「それはエレナさんに頼んでありますからご心配なく。」
エ「ん・・・これね。」
エレナは持っていたバッグの中からツリー用のLEDライトを取り出した。
水「お、中々きれいだな。」
エ「うん、自信作・・・」
奈「用意がいいですわね。」
陽「壁の飾りつけ終わったよぉ~・・・背が高いとはいえ疲れちゃったぁ。」
咲「はるちゃんお疲れ様。さ、次はツリーの飾りつけをしようか。」
咲彩たちは壁の飾りつけを終えたので、次はツリーの飾りつけにも取り掛かることにしたのだった。

台所では愛麗たちが料理の準備をしていた。
麗「食材は咲彩たちが用意してくれたし、足りない分はラニーたちを買い出しに行ってもらってるから早速調理を始めるわよ。役割分担はあたしがケーキ作りで嘉月とアンがパスタ、凛世はフライ、和琴が全体の補助だけど・・・4人とも大丈夫?」
凛「もちろんですよ。私は時々叔父さんのお手伝いしてますし。」
環「私こういうの経験ないのよね。食事は由愛ちゃんに作ってもらうか、デリバリーだし。」
嘉「ウチは・・・まあ別に大丈夫やと思うわ。家庭科も料理も得意やし。」
和「あたしはそれなりね。だからって経験が全くないわけじゃないわ。」
麗「一応は心配なさそうね・・・それじゃ、各自作業に入って。」
凛「分かりました。私に任せてください愛麗。」
麗「もし手が足りなくなったらあたし呼んでくれればヘルプに行くから。嘉月とアンも呼ばれたら凛世のこと出来る限り手伝ってあげて。」
嘉「分かったで。」
環「アンはそこまで気を配れないんだけど。」
麗「アンは昔からそうだもんね・・・なら自分の作業に集中してて。無理しなくていいから。」
環「それわたしのこと貶してんの。」
麗「別にけなしてないわよ。料理は放置すると焦げちゃうわよ。」
愛麗はケーキの材料をボウルで混ぜ合わせながらそう言った。
凛「愛麗、油これぐらいの温度でいいですか?」
麗「どれどれ・・・いいわよ。そこの冷凍のポテトとかを順番に揚げてって。」
凛「眞武さん、フライを順番に入れていってもらってもいいですか?」
和「どれぐらい入れればいいのかしら・・・全部一気でいいか。」
麗「冷凍なんだからまるごと入れるな!冷えたものを大量に入れると油の温度が下がって上手く揚がらなくなるのよ!」
和「そうなの?冷凍食品って奥深いわね・・・」
麗「別に奥深くもなんともないから。」
台所でドタバタしながらも愛麗が全員の作業に目を配り、料理はなんとか完成たのだった。

一方、ラニーと苺瑠の2人は飲み物や愛麗たちが調理しきれない分の料理を買うためにイノン騎ノ風店に買い出しに来ていた。
姫「ええと愛麗君に頼まれたものは飲み物とサラダとフライドチキンと・・・結構あるのだ。」
ア「それならまず飲み物から買うデス。苺瑠サンは何飲むデス?」
姫「そうだな・・・クリスマスだしシャンメリーにするのだ。我はピンクのやつがいいな。」
ア「ピンクのやつデスね。これなんかどうデス?同じメーカーので白いやつもあるデス。」
姫「いいなそれ。人数が多いから、紅白合わせて5本ぐらい買って行くのだ。」
ラニーはバランスよくピンクと白のシャンメリーを掴みとると、カゴに入れていく。
姫「次はサラダだな。ラニー君何か好きなサラダあるかい?」
ア「そうデスね・・・ポテトサラダと野菜サラダがいいと思うデス。そんなに買って行っても食べきれないでしょうし。」
姫「分かったよ。ポテトサラダは我も結構好きなのだ。」
ア「あ、それと・・・」
姫「どうしたのだラニー君。」
ア「ワタシ、シャシリク・・・というか肉の串焼きが食べたいデス・・・」
姫「そうなのか・・・いいよ、買って行くのだ。だけど予算に限界あるから安いお肉にするのだ。」
ア「ハイ!分かりましたデス。」
姫「そういえばこの料理を買う予算って誰が出しているのだ?」
ア「ワタシも詳しいことは知らないデスが、櫻子サンのイノンカード借りてて、これで払っていいそうデス。」
ラニーは櫻子から借りているイノンカードを見せた。
姫「これがクレジットカードか・・・初めて見たのだ。」
姫「支払いは桜流ちゃんのお父さんに行くらしいよ。桜流ちゃんとは仲悪そうな感じだけど・・・
慰謝料という名目でクレジットカードを無償で使ってるのを見ると相当関係悪いんだろうね・・・」
姫「桜流君のことは怒らせない方がよさそうなのだ・・・」
ア「環子サン、苺瑠サンどうしたデス?早い所買い物を終わらせて帰りマショー?
クリスマスなのもあると思うデスが人が増えてきて窮屈になってきたデス。」
柚「そうだね。愛麗ちゃんたち待ってるし早く買って帰ろうか。」
姫「雪が降ってきたらたまらないからな・・・」
柚「うん、あとはフライドチキンだけだし早いところ買って帰ろうか。」
その後4人は目的の品を見つけ、無事に買い物を終えることができたのだった・・・

咲「・・・ざっとこんな感じかしら。」
水「見違えるほどに綺愛麗になったな。」
先ほどまでただの木だったものは飾りつけによって立派なクリスマスツリーになっていた。
14人が座れるようにテーブルも用意されている。その時台所から愛麗の声が聞こえてきた。
麗「料理できたから運ぶわよ~!」
奈「分かりましたわ~」
奈摘の返事とほぼ同時に台所からたくさんの料理が運ばれてきた。ケーキ、ピザ、トマトパスタ、ステーキなど普段はあまり目にしないごちそうが勢ぞろいである。
咲「上手にできてるね。」
エ「彩りも・・・ステキ・・・」
凛「お褒めの言葉ありがとうございます。」
麗「まああたしたちの力を結集すればこんなもんよ。」
嘉「ウチと愛麗ちゃんを中心に紫ちゃんと環輝ちゃんに補助してもらいながら作ったんやで。」
柚「料理もおいしそうだけど、ボクたちが作った部屋の飾りも負けてないでしょ。」
陽「わたしも会場の飾りつけ綺愛麗になるように頑張ったんだよぉ。」
麗「これ全部柚歌が作ったんだ・・・」
愛麗は壁に飾られた飾りやツリーの飾りを見ながらそう言った。
凛「市販の物よりも素敵です!」
柚「LEDライトだけはエレナちゃんに作ってもらったんだけどね。」
エ「スイッチ入れる・・・」
エレナは持っていたLEDライトのスイッチ入れた。するとツリーに飾られたライトが色とりどりに輝きだす。
その時玄関の方で声がした。苺瑠とラニーが帰った来たようだ。
ア「ただいまデス!荷物沢山あって疲れました・・・」
姫「徒歩で買い物に行くのは辛いものがあるなぁ・・・」
奈「苺瑠さんたちお帰りなさいですわ。」
麗「ちゃんと頼んだもの買ってきてくれた?」
ア「もちろんデス。サラダにシャンメリーにフライドチキン・・・」
ラニーは袋の中から買ってきたものをテーブルに並べる。
水「うまそうにできてるな。」
環「照り焼きチキンはないし?」
姫「あるぞ。アン君って照り焼きの方が好きだったよな。」
環「苺瑠分かってるじゃん~!あのこってりしたソースの味がたまらないっしょ。」
姫「照り焼きビーフも買ってきましたけどどっちがいいかな?」
環「どっちも食べるし!」
麗「ほらまだ食べる時間じゃないから・・・」
咲「準備も整ったことだし、ご飯の前にプレゼント交換しようか。」
咲彩の提案で料理を食べる前にプレゼント交換をすることになった。

咲「みんなそれぞれプレゼントは持ってきてるよね。曲流して回すのもあれだから、くじ引きにしようか。」
咲彩はそう言うとそれぞれが持っているプレゼントに1から14までの番号を振り、くじが入っている箱を振った。
咲「この中に1から14までの番号が入っているから引いていってね。自分のをひいちゃったときは戻してもう1回引いていいから。」
水「それで、誰から引くんだよ?」
麗「この会場・・・っていうか家を貸してくれた塩車からでいいんじゃないの?」
櫻「自分でいいの?」
和「このパーティの中心人物なんだから当然でしょ。」
咲「みんな、塩車さんから引いていいよね?」
その場にいる全員が同意し、咲彩の言葉に反対する者はいなかった。
櫻「みんなありがとう、自分から引かせてもらうよ。」
櫻子はお礼を言うと箱の中に手を入れる。彼女が手に取ったボールには6とかかれていた。
咲「6番はこれだね・・・どうぞ。」
咲彩は櫻子に6と書かれた小さい包みを渡した。
櫻「何が入っているのかな・・・あ、眼鏡が入ってたよ。」
環「あ、それアンの入れたパソコン用眼鏡だし。」
櫻「最近流行りのブルーライトカット眼鏡?」
環「そうだし。私以外眼鏡の子がいないからこういうのなら誰に当たっても喜ぶかなって思って入れちゃった。」
櫻「ありがとうアンちゃん。大切に使うよ。」
咲「それじゃ、次は・・・」
水「もういちいちそうやってやるの面倒だし、順番決めちまおうぜ。」
話し合いの結果買い出し組→料理組→会場設置組の順になり、その中からまずラニーが引くことになった。
ア「行くデス!」
ラニーが引いたボールには9とかかれていた。
咲「9番は・・・これね。」
咲彩はラニーに正方形の箱を渡した。
ア「何が入っているんデスかね・・・ええと、ドライヤーとリストバンドですネ。」
柚「あ、それボクの・・・」
ア「柚歌サンのでしたカ。」
柚「こういうパーティって初めてだから、何用意したらいいか分からなかったんだよね・・・気に入らなかったらごめん。」
ア「いえ、とても嬉しいデスありがとうございまシタ。毎日使わせていただきマス。次は・・・苺瑠サンでしたネ。どうぞ。」
姫「こういうのって緊張するなぁ・・・これなのだ!」
苺瑠が引いたボールには11とかかれていた。
咲「11番はこれだね。」
咲彩は苺瑠に柔らかそうな感じの包みを渡した。
姫「なんだろうな・・・クッションとキーホルダー?アニメキャラが描かれているな。ええと・・・作品名はLOVEヴァンパイアガール!でキャラクター名は天宮美琴・・・凛世君にそっくりな子だな。」
奈「あ、それわたくしのですわ。」
姫「だと思ったよ。奈摘君は確かこんなタイトルの漫画を連載していたもんな。」
奈「わたくしの作品LOVEヴァンパイアガールをアニメグッズ化してもらったのですわ。それを皆様にも知ってもらおうと・・・」
姫「まあこういうのも新鮮でいいかもな・・・今度LOVEヴァンパイアガールの漫画も読んでみるよ。」
奈「ありがとうございますわ苺瑠さん。」
その後もプレゼント交換は順調に行われていった。
次に引いた柚歌は3番を引き、プレゼントはピンクのジャケットだった。
柚「ピンクのジャケットかぁ。立派な素材でできてるねこれ。」
水「あ、それアタシが入れた奴だ。」
柚「そうなんだ。」
水「そのピンクの奴アタシには似合わなくてさ~。ピンクが似合いそうな柚歌に当たってくれてよかったよ。」
柚「ボクはピンクってがらじゃないと思うけど・・・それよりちょっと大きいかな。」
水萌サイズのジャケットはぶかぶかで、柚歌は手を出すことすらできない。ちなみに2人の身長差は15cm近くある。
水「あ・・・・ごめんな、今度柚歌サイズに仕立て直すから・・・」
柚「うん・・・ありがと。(直してもらってもピンクなんて着づらいしどうしよ・・・)」
次に引いた愛麗は5番をひき、プレゼントは一眼レフカメラだった。
嘉「それウチが入れた奴や。」
麗「嘉月のなんだ。こんなに高そうな物いいの?」
嘉「もちろんや、前に電気屋さんで型落ちしたそのカメラを叔父さんが仕入れたんやけど、結局使わないみたいやからもってけって・・・
叔父さんは型落ちした後に仕入れたから値段は10000円ぐらいだったって言ってたけど、本来は10万ぐらいの代物らしいでそれ。」
麗「最近カメラが欲しかったからほんとに嬉しいわ!これでジオラマの写真いっぱいとるね!ありがとう嘉月。」
嘉「愛麗ちゃんごっつ嬉しそうやな。ウチもカメラ持ってきたかいがあったわ。」
次に引いた凛世は7番を引き、プレゼントはプレステ4だった。
凛「なんですかこの黒い箱・・・?」
和「プレステ4っていうゲーム機よ。あたしが持ってきたの。」
凛「眞武さんのプレゼントでしたか・・・ゲーム機なんですね。私普段は3DSを少し触る程度なのであまり詳しくなくて・・・」
和「夜光ってゲームあまりしなさそうだものね・・・ただこれ使い方によってはDVDを再生したり、動画サイトを見れたりするからかなり便利なのよ。」
凛「いいですねそういうの・・・ですけどこれかなり高かったのでは?」
和「前に懸賞で当てた奴だから別にかまわないわよ。実際に買うと5万はするらしいけど・・・」
凛「そうなんですか。私の部屋に一応テレビあるのでいくつかゲームやってみますね。」
和「そう、それならいいわ。(ほんとはゲーム好きの鷲宮あたりに引いてほしかったんだけどなー・・・)
次に引いた奈摘は4番を引き、プレゼントはipod touchだった。
奈「これスマートフォンですの?」
エ「わたしの・・・それはスマートフォンじゃなくてipod・・・」
奈「エレナさんのプレゼントなんですのこれは。」
エ「おじい様に貰ったんだけど、私の部屋に大型のコンポあるからあげる・・・」
奈「これってどこと契約してますの?」
エ「本体しか買ってない・・・ネットにつなぎたいなら奈摘ちゃんが好きなキャリアと契約して構わない・・・」
奈「ありがとうございますわ。大切に使わせていただきますわね。」
次に引いた環輝は13番を引き、プレゼントは羽毛布団だった。」
環「布団なんてよく持ってこれたし・・・」
姫「ああ、それ我のプレゼントなのだ。」
環「苺瑠の?なんでまた布団なんか・・・」
姫「我の家はなぜか布団を大量にもらうから出してみたのだ。」
環「へえ・・・まあいいわありがと夜の寒い時に研究する際にでも使わせてもらうわね。」
姫「我としては布団は寝るときに・・・まあいいか。」
次に引いた嘉月は1番を引き、プレゼントは椿オイルとシャンプーとコンディショナーだった。
嘉「シャンプーと椿オイル・・・?これってもしかして・・・」
凛「私のですよ雷久保さん。」
嘉「やっぱり凛世ちゃんのやったか・・・いつも髪の毛に椿オイル塗ってるって言ってたもんなぁ。」
凛「はい!雷久保さんもこれを使って艶々の髪の毛美人になってくださいね。」
嘉「うん、分かったわ。今度から使ってみるで。(ウチ自分で使ってるハーブの香りのシャンプー以外使わへんねんけど・・・)
次に引いた和琴は10番を引き、プレゼントはヘアゴムを編む機械だった。
和「なにこれ・・・ヘアゴムメーカー?」
咲「あ、それ私の・・・」
和「神宿のなんだ。」
咲「うん、その機械は女の子向けのおもちゃなの。今は使わなくなっちゃって・・・私もいろいろ気分を変えたくて昔は色々なヘアゴムを作ってたんだけど・・・今はこれじゃなきゃダメなの。」
咲彩はそう言うと今自分の髪をまとめている赤い玉のヘアゴムを指さす。
和「神宿は昔からその髪飾り付けてるもんね。それが一番似合ってるわよ。」
咲「ありがとうことちゃん。でもよかったよ。ことちゃんみたいに髪の毛をよく結んでいる子に私のプレゼントが当たって。髪の毛が短い子とか結んでない子に当たったりしたら、私、焦っちゃってたよ。」
和「あたしは基本リボンで三つ編みを結わいてるけどこういうのでヘアゴムを作ってみるのもありかもね。最高のプレゼントをありがとう。」
咲「喜んでくれて嬉しいよ。」
次に引いた陽姫は13番を引き、プレゼントは有名選手のサインが入ったサッカーボールだった。
陽「このサッカーボール・・・萌夏お姉ちゃんがファンの選手のサインが入っているよぉ!」
ア「それワタシのデス。」
陽「ラニーちゃんのプレゼントなんだねぇ。」
ア「ハイ・・・前に懸賞で当たったものなのデスが、その選手にあまり興味がなかったので持ってきたんデス。」
陽「ありがとうラニーちゃん!わたしのおうちの目立つところに飾らせてもらうからねぇ。」
次に引いたエレナは12番を引き、プレゼントは大きい植木鉢に入った観葉植物だった。
エ「これ・・・何の木?」
陽「わたしのだよぉ。カカオの木なんだぁ。」
エ「カカオ?チョコとかココアの原料の木?」
陽「そうだよぉ。わたしは事情があって育てられなくて・・・だから持ってきたんだよねぇ。」
エ「分かった・・・陽姫ちゃんの代わりにこの木をおじい様と一緒に立派に育ててみる・・・」
陽「ほんと~!?大きくなったら見せてねぇ。」
エ「(陽姫ちゃんの家庭菜園は屋上にあるからカカオみたいな南国の木は寒さに弱くて育てにくいんだと思う・・・だから私の家にある温室で育てれば・・・)」
エレナはカカオの木を育てるプランを考え始めていた。
次に引いた水萌は2番を引き、プレゼントはガラス細工で出来たエッフェル塔だった。
水「精巧に出来てるな・・・誰のだこれ?」
櫻「自分のだよ。」
水「塩車が作ったのかこれ・・・すごくよくできてるな。」
櫻「だってそれ作るのに1か月かかったし。」
水「1か月でこのレベルを作れてしまう榎波がすげーよ。アタシじゃ絶対に届かない領域だわこれ。」
櫻「あの・・・気に入ってくれた?」
水「もちろんだぜ。アタシはな、こういう綺愛麗なガラス細工が大好きなんだよ。しかもエッフェル塔はアタシのもう一つの血が流れている民族が住んでいる。フランスの象徴なんだよ。こんな形でまた見れるなんて嬉しいぜ・・・」
櫻「そう言ってもらえると頑張って作ったかいがあったよ・・・ちなみに水萌ちゃんはどこで生まれたの?」
水「八潮市だ。最近まで知らなかったけどな・・・クォーターであるアタシの体に流れている血がフランスなんだよ。」
そしてとうとう最後の咲彩の番になった。残っていた番号は8番。そのプレゼントは・・・
咲「ええと、この大きい奴よね・・・これ自転車じゃない!」
麗「それあたしのプレゼントね。中々いいでしょそれ。」
咲「これ、らっちゃんのなの?」
麗「うん、あたしのプレゼントはそのマウンテンバイクよ。前に祖父さんが貰ってきたんだけどあたしも楓もはじ姉も乗らないから、持て余してたのよ。まだ全然乗ってない新品だよ。だけど・・・咲彩ってバイク持ってたよね。ならあまり使わないか・・・」
咲「ううん、私自転車も欲しかったんだ。大事に乗らせてもらうねらっちゃん。」
麗「あたしが持ってきた自転車がこんなに喜んでもらえるなんて嬉しいわ。これが残り物には福があるってやつなのかもね。」
咲「これからのお買い物が楽になりそう・・・うふふ・・・」
こうして、長きに渡るプレゼント交換は幕を閉じたのだった。
咲「さて、プレゼント交換も終わったことでここからはフリータイムよ。理を食べながら好きな子とお話ししてもいいし、ゲームやったりしてもいいわよ。」
水「その言い方だとなんだか合コンみたいだな・・・」
麗「さ、全員準備できたみたいだし、乾杯のあいさつしようか。せーの・・・」
全「「「「メリークリスマス!!!」」」」

15人はそれぞれ思い思いにクリスマスパーティを楽しんでいた。
凛「愛麗!」
麗「凛世。今日は料理作りの手伝いお疲れ様。怪我とかしてない?」
凛「はい、大丈夫ですよ。隣いいですか?」
麗「いいわよ。どうぞ。」
凛世は愛麗の隣に座った。
麗「それにしても今日は騒がしいわね・・・」
凛「こういう日があってもいいじゃないですか。今日はクリスマスなんですから。」
麗「まあね。だけどはめ外し過ぎるのもよくないと思うのよねあたしは。」
咲「らっちゃん。隣いいかな?」
水「ちょっと邪魔するよ。」
麗「あ、咲彩に水萌。いいよ。」
愛麗は自分の元に来てくれた咲彩と水萌を凛世とは逆側に座らせた。
咲「らっちゃん、さっきのマウンテンバイクだけど・・・私本当に嬉しかったんだ。あれで今度からイノンとかへ楽に買い物行けるかと思うとワクワクしちゃって・・・」
麗「へえ・・・そんなに喜んでくれたんだ。咲彩にあたしの自転車が当たってほんとに良かったよ。最近じゃ若いのでも自転車に乗れないってやつが増えてるからね・・・咲彩は乗れるよね。」
咲「そこは心配いらないよ。」
水「だな、昔アタシと一緒にかなり特訓したもんな。」
咲「うーんその頃の話はあまりしないでほしいかな・・・」
凛「幼馴染って素敵ですよね。私その頃のお話もっと聞きたいです。」
咲「そうなの?それなららっちゃんとりんちゃんのお話も聞かせて。2人も私とみなちゃんと同じで幼馴染じゃない。」
麗「それもそうね。ならあたしたちの話からしようかな。あれは、小学校の頃・・・」

姫「アン君楽しんでいるかい?」
環「ああ苺瑠・・・ケーキって甘いから嫌い・・・辛いケーキがあればいいのに・・・もう照り焼きチキンだけでいいかも。」
姫「辛いケーキか・・・おいしくないと思うけど。」
環「分かってるわよそんなの・・・」
和「花蜜は甘い物嫌いだもんね・・・好きじゃないものは無理に食べなくたっていいのよ。」
姫「あ、和琴君。」
和「生泉と夜光が取り込み中だからこっち来てみたわ。」
姫「そうなのか・・・あ、3人でゲームやらないかい?theモンスターズだけど。」
環「そのゲームでアンに勝負を挑むなんていい度胸ね苺瑠。分かったわ。勝負してあげるし。」
和「あら、花蜜に火が着いちゃったみたいね・・・ならあたしもちょっと付き合ってあげようかしら。」
姫「ありがとう。ならまずはアン君と我で勝負するのだ。和琴君は実況を頼むよ。」
和「いいわよ。それと花蜜、バトルの前にその食べ物は全部置きなさいよね。DSが汚れるから。」
環「分かってるわよ。」
姫「それじゃ・・・試合開始なのだ!」

奈「どのお食事もおいしいですわ。」
嘉「これアカンやつや・・・美味しすぎて食べ過ぎてまうで・・・」
柚「奈摘ちゃん、嘉月ちゃん。そういう時は野菜を食べるといいよ。」
奈「あら、そうなんですの?」
陽「野菜を食べてからお肉を食べると太りにくい体になるんだってぇ~」
嘉「そうなんやな・・・初めて知ったわ。」
陽「わたしは色々野菜を育てているからそう言った知識も豊富なんだよぉ。」
奈「陽姫さんに助けられましたわ。ありがとうございますわ。それではサラダをいただきましょうか・・・」
柚「それにしても豪華なごちそうだよね。絵に描きたくなっちゃう・・・」
嘉「柚歌ちゃん今はダメや。食事中に画材を広げたらあかんで・・・」
柚「分かってるけどこのごちそうを描きたいよ・・・」
嘉「ならウチが写真撮っとくわ。その写真を基に後で描けばええやん。」
柚「その手があったね・・・ありがとう嘉月ちゃんよろしく頼むよ。」
嘉「もちろんや。撮った写真は後日渡すで~」
陽「お料理の絵を描きたいだなんて、柚歌ちゃんって本当に創作意欲が高いんだねぇ。」
奈「ふふ、本当ですわね。わたくしも同じアーティストとして見習いたいものですわ。」

櫻「ラニーちゃん、今度行くスケートデート楽しみだね。」
ア「ハイ!・・・ですけど、ほんとにコート着てきてくださいネ・・・?」
櫻「分かってるってば・・・」
ア「櫻子サンが冬でも薄着だから心配しているのデスよ?」
櫻「まあ心配するの分かるよ。だけど自分薄着でも問題ないんだってば。」
エ「私はみんなを眺めるだけで幸せ・・・」
ア「おお、レナサン。いつごろからいたんデスか?」
エ「2人が会話している時からずっといた・・・」
1組メンバーがそれぞれクリスマスパーティを楽しむ中で次第に夜は更けていくのだった・・・

そして夜の21時・・・みんなもう家に帰る時間である。
咲「あ、もうこんな時間・・・そろそろ帰らないと・・・」
水「そうだな・・・あ!外雪降ってるじゃねえか!」
湊がカーテンを開けて外をのぞくと雪が降り注いでいた。
麗「平地の騎ノ風で雪が降るなんて珍しいわね・・・」
凛「それに結構積もっているようなので帰るのも厳しそうですね・・・」
櫻「それなら・・・今日は全員ここに泊まっていきなよ。みんなの親には自分が連絡するから。」
咲「だけど塩車さん・・・14人も泊められるの?」
櫻「布団やパジャマは沢山あるし、お風呂も結構広いんで3人ずつぐらいは入れるから。」
咲「そうなの・・・それじゃ私は明日休みだし泊まって行こうかな。皆はどうするの?」
水「ならアタシも・・・」
麗「あたしも。雪の中帰るのも面倒だし。じーさんの晩御飯用意してないけど大丈夫かな・・・」
凛「私も泊まります。雪が降っているホワイトクリスマスなら家で楽しみたいですし。」
愛麗たち4人以外のほぼ全員も泊まっていくという意思表示を出した。
櫻「分かったよ。それならまずは・・・皆の家に連絡をして、その跡会場の片づけをしようか。」
こうして、1組メンバーは全員桜流の家に泊まることになったのだった・・・
その後、慌しく連絡と片づけを終え3人ずつ風呂に入った後布団を敷き、それぞれが好きな場所で眠りに着いたのだった。
今日は聖夜のホワイトクリスマス。自分が信じた道をそれぞれ歩く1組メンバーに聖夜の奇跡は訪れるのだろうか?それは誰にもわからない。