真夏の美少女達2017~無人島~

今年も暑い夏が騎ノ風市を襲った。1組のメンバーは今年も海へ行って避暑をすることにした。
だが1組は美人やかわいい子が勢ぞろいしたようなクラス。海へ行けばナンパされ、プールへ行けばガンを飛ばされ襲われる。
なので今年は天宮城家が所有する無人島へやってきた。無人島ならだれもいないから絡まれることもないし思う存分好きに過ごせる。

そんなわけで今年も海水浴に行くのを嫌がった櫻子を除く13人とあかり先生で無人島にやってきた。
麗「ここが無人島かぁ・・・どれぐらいの広さがあるのこの島は?」
奈「日本でいえば、香川県の半分ぐらいの広さがありますわ。」
凛「かなり広いんですね。」
和「だけど、それなりに整備がしてあるから無人島とは思えないわねここ。」
咲「お店とかもあるよね・・・」
水「人がいる時点で無人島ではないよな。」
奈「わたくしたちが避暑に使っている場所ですので、環境は最低限整えてあるつもりなのですわ。
それにお店の営業をしているのはわたくしの家の使用人ですので、わたくしたちがこの島から帰るときに一緒に帰るのですわ。」
姫「うむ、無人島専属の従業員たちなのだな。」
あ「誰もいない島、その海辺ではしゃぐ女子高生・・・これは絵になるわ~!写真たくさん撮らせてね皆!」
麗「あかり先生。写真は撮っていいけどあたしたちとの約束・・・忘れてないですよね?」
あ「もちろんよ。売らない、SNSにアップロードしない、個人で楽しむ範囲に抑える!」
麗「分かってくれててよかったわ。」
嘉「分かってくれへんかったら二度と引率頼まへんつもりやからな。」
あ「分かってるって・・・じゃ、今日は楽しむわよ~!」

あ「それじゃまずは写真撮影タイムよ!みんな今年も新しい水着新調したのね撮影しがいがあるわそれじゃ1人ずつ・・・まずは神宿さん!」
咲「恥ずかしいな・・・」
咲彩は今年は白地に青い模様の入った水着を選んだようだ。パレオもおそろいの柄で腰にサングラスを刺している。
あ「セクシーな神宿さんのスタイルの良さを引き出してるわね~!ありがと終わったわ。それじゃ次は織田倉さん!」
水「あ、ああ・・・きれいに撮ってくれよ・・・」
水萌は白の競泳水着のようなデザインのものを着ている。羽織ったベストがより彼女のスポーティーさを引き立てる。
あ「織田倉さんのスタイルの良さを際立出せてくれる水着ね!あー私もハーフの血が入っていれば・・・ありがと終わったわ。次は生泉さんお願い。」
麗「えー・・・仕方ないわね。」
愛麗は紫の水着にロングパレオをしている。今年はサロペット水着ではないので今まで隠れていた体のラインがきれいに見える。
あ「今年はサロペットじゃないのね!体のラインがきれいに見えて大胆でセクシー!・・・ありがと終わったわ。次は夜光さんお願い!」
凛「はい、好きなだけどうぞ。」
凛世は黒地でリングで止めてある水着にしたようだ。もちろんビキニパンツの所にはスカートもついている。今年は髪をまとめずにピクチャーハットを被っている。
あ「薄着になるとスタイルが際立ってきれいに見えるのよね夜光さんは。さすが1組トップの美少女!・・・ありがと終わったわ。次は磨伊さんお願い!」
和「えー・・・モデルはもう散々なんだけどなぁ・・・」
和琴は明るめな緑のタンキニとデニムのホットパンツで足以外は露出少な目である。動きやすさ重視で選んだようだ。
あ「元モデルだけあって体のラインに美しさを感じるわ!セクシーもいいけどこういうスポーティーさなのも素敵!・・・ありがと終わったわ。次は立屋敷さんお願い!」
姫「分かったのだ。」
苺瑠は子供が着そうなデザインのピンクのワンピース水着だ。女子高生が着るものではないが、苺瑠が着ると似合うのはやはり子供っぽいからだろうか。
あ「立屋敷さんはその子供っぽい所が一番の魅力よね!女子高生なのに小さいのってたまらんわああああ!・・・ありがと終わったわ。次は天宮城さんお願い!」
奈「どうぞご自由に。」
奈摘は黄色地でフリルがあしらわれたお嬢様っぽいデザインのものを着ていた。
あ「天宮城さんはまさにお嬢様って言葉が似合うぐらいゴージャスでエレガントだわー!・・・ありがと終わったわ。次は雷久保さんお願い!」
嘉「しゃーないなぁ。」
嘉月は赤白ボーダーの水着を選んだようだ。羽織った上着が控えめな彼女らしさを演出している。装備しているカメラも今日は防水仕様だ。
あ「雷久保さんのムチムチボディたまらないわぁ・・・抱き着きたいっ!ありがと終わったわ。次は色部さんお願い!」
柚「うん、わかったよどうぞ。」
柚歌は蛍光グリーンのベアトップにグレーのホットパンツを合わせてたスポーティな水着。お団子頭に着けたハイビスカスの髪留めも印象的だ。
あ「色部さんはすらっとしているのに胸もそこそこ膨らんでいるのよね。女の子っぽい水着も似合うんじゃない?・・・ありがと終わったわ。次は西園寺さんお願い!」
陽「はぁーい・・・」
陽姫はオ嘉月ジの紐ビキニだ。普段は下ろしている髪も頭頂部で団子状に束ねているので髪に目がいかない分胸が目立つ。
あ「西園寺さんはやっぱり胸よね胸!そのバスト100cmに私もはさまれてみたいっ!・・・ありがと終わったわ。次は花蜜さんお願い!」
環「アンこういうのあんまり好きじゃないんだけどね。」
環輝はルームウェアのようなデザインの赤い水着だ。肌の露出は少なく、目立つのが嫌いな彼女の性格を表しているかのよう。もちろん眼鏡は手放さない。
あ「花蜜さんは水着でもサングラスじゃなくて眼鏡をしている所にこだわりを感じる!・・・ありがと終わったわ。次は鷲宮さんお願い!」
エ「・・・わかった。今年は冒険してみた。」
エレナはサロペットスカート水着だ。中に来ている水着は濃紺で大人っぽいデザイン。もちろん手袋と帽子は着用しており防水仕様の特別なものだ。
あ「鷲宮さんはあまり肌を露出しない所が素敵だわ~!っていうかその帽子と手袋って防水タイプもあったのね・・・ありがと終わったわ。次はラニーさんお願い!」
ア「了解デス!」
ラニーはトレーニングウェアのようなデザインのグレーの水着だ。色白な彼女の肌と見事にマッチしている。
あ「やっぱり外国人って絵になるわぁ~!ハーフやクォーターとはまた違った魅力があるのよね!・・・ありがと終わったわ。最後は塩車さん・・・はまた欠席かぁ。なんで来てくれないのかしら・・・」
ア「(あかり先生がそうやって変態カメラマンみたいに撮影するから櫻子サンは来ないんだと思うデス・・・胸小さいの気にしてますし。)」
あ「まあいいわ。それじゃ今日は楽しんでいこー!さーて私はやることがあるから拠点にもどろっと。」
あかり先生は満足そうな顔で拠点に戻って行った。
和「来年もまたこんな感じで撮影されるのかしら・・・」
嘉「まあその分引率してくれて頼りになるし、写真の一枚ぐらいええんやないの。」
姫「だが、あの撮り方は一歩間違えば変質者のそれと変わらないからな・・・」
エ「私たちが密告したら確実に教師首になる・・・」
咲「それより、みんなはこれからどうするの?荷物番とかしたい人・・・いないよね。」
麗「どうするも何も、あかり先生は拠点に戻ったんだから荷物番しててくれるってことでしょ。あたしたちは遊びに行こう。」
柚「そうだね。時間もったいないよ。」
無人島のきれいな海に向かって走っていく愛麗たち。だが彼女たちはまだ気づいていなかった。この島がすでに無人島ではなくなっていることを・・・

無人島の地下。何やら怪しい施設で怪しい男たちが動いていた。
男1「リーダー。この島に何者かが上陸したようです。」
?「そうか。それなら誰か調査に行け。」
男2「では、私が行ってまいります。」
?「よろしく頼んだぞ。」
男2「はいっ。仰せのままに。」
男2はそういうと施設から出て行った。
?「誰が来ようとかまわんが、この島に私たちがいるのを知られるわけにはいかない。ここは私たち新生平穏人生の会のアジトなのだからな。」

そんなことにも気づかず、愛麗たちは浜辺でビーチサッカーをしていた。しかも本格的なゴールとコートまで設置して。
麗「凛世!行くわよそれ!」
凛「あっ・・・ちょっと強すぎますよ愛麗。」
水「アタシがいただきだ!」
和「もう、取られちゃったじゃない。」
水「決めろ咲彩!」
水萌が咲彩にパスを出す。
咲「分かったよ。それえ!」
咲彩の渾身のシュートが放たれる。愛麗チームのキーパーである嘉月は飛んでくるシュートに身構えた。
嘉「キーパー経験あらへんけど、このボールは正面やから・・・そこや!」
嘉月は正面にボールが来ることを予想し、そのままキャッチする。」
嘉「取れたで!」
咲「あら・・・決まったと思ったのに。」
柚「惜しかったね咲彩ちゃん。」
奈「嘉月さんこっちですわ。」
嘉「分かったわ。それ!」
誰にも邪魔されないプライベートビーチで楽しく遊ぶ愛麗たち。それを見つめる影があった。先ほどの男2だ。
男2「あいつら何をしているんだ・・・?この島で遊んでいるだけか?・・・ボス、聞こえますか?」
男2はトランシーバーを取り出し、ボスと思われる男に連絡をする。
?「『どうした男2。何か問題でも起こったか?』」
男2「先ほど島に上陸したと思われる人間ですがどうやらこの島で遊んでいるだけのようです。我々の存在には気づいていないかと・・・」
?「『そうか。だが、いつ気づかれるか分からない。引き続き監視を頼む。何かわかったらすぐに私に連絡しろ。』」
男2「了解。」
男2は愛麗たちに気づかれないよう監視を続けるのだった。

陽「みんなぁ・・・そろそろ休憩しようよ。」
咲「はるちゃん疲れちゃった?そうよね、朝からずっと海入ったりサッカーしたりすれば疲れちゃうよね。」
エ「この島って・・・食べ物あるの?」
奈「心配ご無用ですわ。この島のお店に行けばわたくしの家のシェフがいますから、好きなものを用意してもらえますわ。」
和「へえ、なんでも出してくれるんだ。」
奈「ええ、しかもお題はとりませんわ。我が家で余った食材を再利用しておりますので。」
環「無料で食べ放題ってこと!?超行けるじゃん!」
麗「あんたは食べ過ぎなのよ。」
奈「食材には限りがありますので食べる量はできれば抑えていただきたいですわね・・・」
陽「あれ・・・?」
咲「はるちゃんどうしたの?」
陽「うん、さっきから誰かに見られているような気がして・・・」
水「誰かに見られてるだって?だけどこの島にはアタシたちしかいないはずだろ?」
エ「幽霊でもいるのかな・・・」
奈「そんなことはないはずですわ・・・この島はわたくしの先祖が明治時代に買い上げたもののはず。そんな話は聞いたことがありませんわ。」
姫「だが陽姫君は我ら以外の視線を感じたのだろう?」
陽「うん・・・」
姫「だとしたらあながち間違いではないかもしれないぞ。それに幽霊はいなくてもこの島に流れ着いて潜伏している奴とかいるかもしれないのだ・・・」
ア「それってなんか怖いデス。」
柚「案外この島はすでに侵略されていたりするんじゃない。得体のしれない連中にさ。」
奈「この島はわたくしたちの使用人が1ヶ月周期で監視をしているのでそれはないような気がしますわ。もし怪しい連中がいたら気づくはずですもの。」
柚「あくまで予測だよ・・・」
凛「こういう事って深く詮索すると痛い目を見ることが多い気がします。早い所拠点に戻って食事にしましょう・・・」
愛麗たちの会話を聞いていた男2はビビっていた。
男2「あいつら勘が鋭いな・・・まあいいやあいつらの映像録画できたし・・・ボス、聞こえますか?」
?「新しいことでもわかったのか?」
男2「島に上陸している連中の映像が取れたのでお送りします。」
男2はボスに録画した映像を送信した。
?「ふむ・・・これはわが娘!?おい、聞こえるか?」
男2「はい。なんでしょうか?」
?「今すぐ他の幹部もそっちに向かわせるからこの上陸している奴らの荷物を全員で盗んで来い!」
男2「急に何を・・・」
?「いいから他の幹部がつくまでお前はそいつを見張っていろ!」
ボスはそういうと通信を切ってしまった。
男2「ボスはいったい何を考えているんだ・・・」
男2がしばらく待っていると、指示を受けたほかの幹部が装甲車のような乗り物に乗ってやってきた。
男2「おう、お前ら来たか。ボスはなんで急にあいつらのものを盗めと連絡してきたんだ?」
男1「僕にもさっぱりわかりませんね。」
男3「ま、どうでもいいんじゃね。あいつらの荷物を盗めばそれでいいんだろ?」
女「・・・・・」
男2「それでどうやって盗むんだ?」
男1「あいつらが油断しているすきに装甲車で拠点に突撃するのはどうでしょう。」
男3「ま、それでいいんじゃねえの。ほら、早く乗れよ。」
男2「ハイよ。」
男2は装甲車に乗り込むと黙っていた女がアクセルを一気に踏み込んで愛麗たちがゆっくり過ごしている拠点に向かって走らせる。

愛麗たちはそんなことも知らずに拠点でのんびり食事をしていた。
麗「あーやっぱり海を見ながら食べる食事は最高ね。」
凛「はいっ、天宮城さんの使用人さんたちがやっている海の家の料理もおいしいですしね。」
和「海の家のものってかき氷以外そんなにおいしくないイメージあったから意外よね。」
奈「余りものを使っているとはいえ我が家では基本的に新鮮な食材を取り寄せておりますし、調理をしているのは一流のシェフですので。」
環「これならいくらでも食べれそう。」
水「あんまり食べすぎると午後動けなくなるからほどほどにしとけよ。」
咲「大食いのみなちゃんがそんなこと言うなんて珍しいね。」
水「そりゃな。アタシにとっては海で遊ぶ本番は午後からだからさ。」
陽「午前中は力を蓄えていたんだねえ~みなちゃんは器用だねえ。」
柚「ボクたちは全力でビーチサッカーしたから少し疲れたよ。」
姫「柚歌君が疲れるとか珍しいな・・・」
柚「運動神経は自信あるけどスタミナは自信ないからボク。」
ア「そういう時は肉を食べるとスタミナがつくというデス。」
柚「肉かぁ・・・あんまり好きじゃないんだよね。」
エ「・・・なんだろうこの音?」
和「どうかしたの鷲宮?」
エ「なんか遠くから車のエンジン音が聞こえる・・・」
奈「車?この島に車持ち込んでいないはずですけど・・・」
エ「・・・それとこの音次第にこっちに近づいてきてる。」
麗「それじゃ、あの近づいてくるのってその車・・・?」
愛麗が指さした方向には装甲車が見える。
あ「みんな気を付けて!こっちに突っ込んでくるみたいよ!」
あかり先生がそう言った瞬間、装甲車は猛スピードで愛麗たちのいる拠点に突っ込んだ。
・・・と思われたがすぐ横を通過。彼らの目的は愛麗たちを轢き殺すことではなかったのだ。
男2「いただき!」
男1「こっちは僕が!」
男3「よし!とれたぞ!」
男たちは拠点に置いてあった愛麗たちの着替えが入ったバッグをひったくった。そう、彼らの目的は荷物を奪うことだったのだ。
麗「あっ、あたしたちのバッグが!」
凛「あれがないと着替えられません・・・」
和「ちょっとあんたたちふざけてんの!?」
男3「悔しかったら追いかけてきてみやがれってんだよあははは!!!」
男たちは装甲車を走らせ、森の中に消えて行ってしまった。
水「あいつらの目的はアタシらの荷物を奪うことだったのか・・・」
エ「不意打ちだった・・・」
咲「こういう時どうすればいいんだろう・・・」
奈「わたくしにお任せを。皆の者!作業を中断してあの男どもを捜索してくださいまし!」
使「「「かしこまりました奈摘お嬢様!!!」」」
天宮城家の使用人たちはバラバラになって装甲車で逃げた男たちの行方を追った。
柚「さすが奈摘ちゃん。手慣れてるね。」
奈「ですが、彼らの足取りを掴むまでは少し時間がかかりますわ。」
姫「手掛かりが見つかるまでは我らはこの島から帰れないということなのだな・・・」
麗「ならあたしたちも探しに行こう。
あ「それは危険よ!こんな未開の島に何がいるかなんてわからないし・・・」
奈「心配ご無用ですわ。この島にいた猛獣はわたくしたちがこの島を買い上げる時に動物園に寄付しましたので。」
陽「そっかぁ、なら安心して探せるねえ。」
凛「ですがこの島は香川県ぐらいの広さがあるんですよね・・・見つかる前に私たちが遭難してしまわないでしょうか?」
奈「心配いりませんわ。この島の移動をやりやすいように鉄道も通してありますから。」
水「天宮城家すげえな・・・」
奈「この近くには仁丹駅という駅があるんですの。早速そこから鉄道に乗りましょう。島を一周しているのでどこかで手がかりも必ず見つかるはずですわ。
・・・運転手、すぐに鉄道を起動させなさい。」
運「はっ、かしこまりました。」
柚「(天宮城家の使用人たちって普段どこで待機してるんだろ・・・)」

愛麗たちは駅から鉄道に乗り込み、島の散策を始めた。
麗「奈摘、この島で一番目立たないとか未開の地に近い場所ってどこかにある?」
奈「そうですわね。もうすぐ通過する牡丹駅の近くはあまり訪れたことがありませんわね・・・」
和「ならそこを重点的に捜索してみましょ。何か手がかりがあるかもしれないわね。運転手、牡丹駅で停車をお願いしますわ。」
運「かしこまりました。私は牡丹駅で待機しておりますので、何かあったらすぐに連絡をお願いいたします。」
愛麗たちは牡丹駅で下車した。牡丹駅の周辺はほとんど手がつけられていないのかたくさんの木が日の光をふさいでいる暗い場所だった。
ア「木がとても生い茂っている場所なんデスね・・・」
姫「根っこでつまづかないよう気を付けるのだ。」
凛「私たち全員履物がサンダルですからね。」
陽「まさか水着でこんな森の中歩くとは思わなかったよぉ・・・」
愛麗たちは着替えを男どもに奪われているので水着でここまで来ざるを得なかったのだ。
環「・・・?」
柚「アンちゃん、どうかしたの?」
環「あの遠くに見えるのって・・・怪しくね?」
環輝が指さした方向には明らかに人工物だとわかる謎の施設があった。
和「鷲宮、あんた耳良かったわよね?あの建物の周辺の音聞き取れない?」
エ「分かった、聞いてみる・・・」
エレナは耳に全神経を集中させ、超聴力を使って建物方面の音を聞き取る。
エ「・・・中から話し声が聞こえる。たぶん声の主はあの男たち・・・それと、もう1人誰かいるみたい。
この声は・・・中年ぐらいの男性だと思う。男たちはその人をボスって呼んでるからその人が多分親玉。」

一方、謎の建物では装甲車で戻ってきた男たちが彼らのボスと思われる男に奪ってきた愛麗たちの荷物を献上していた。
男1「ボス、ボスの指示通りあの娘たちの荷物を盗んできました。」
?「ふむ、よくやった。」
男2「ボス、それにしてもなぜ急にあの娘たちの荷物を盗めと指示したんですか?」
?「あの集団の中に俺の娘がいるんだよ。ま、精子提供しただけの関係なんだけどね。生意気でむかつくからちょっかい出してやろうと思って。」
男3「ボスって子持ちだったんですね。独身だと思ってました。」
?「ふん、俺みたいなカリスマになら子供がいたっておかしくないだろ。な、芝原。」
芝「その通りですね。師匠見たいな方の子供なら利口なんでしょうね(ま、本当はがさつで乱暴者なんだけどな師匠の娘)。」
女「今回の作戦は成功・・・我らがボスに万歳・・・」
その時、建物の扉が開く。そこには愛麗たちが立っていた。
麗「あんたたち、あたしたちの荷物を返しなさ・・・ってあんた!!!」
?「誰かと思えばわが娘じゃないか。何し来たんだ。」
麗「なんであんたがこんなところにいるのよ!」
父「そりゃあ俺たちの居場所である平穏人生の会を復活させるためさ。」
そう、彼は平穏人生の会の重役にいた愛麗の父親だったのである。
麗「平穏人生の会復活ですって!?そんなの認めないわ!」
奈「ここはわたくしたちの一族が明治時代に買い上げた土地だと聞いておりますわ。早く出て行ってください!」
和「こんな人目のつかない所でテロ組織の復活をもくろんでるなんて黙ってられないわね!」
父「なんだ、元々お前たちが俺たちの秘密のアジトに来たのが悪いんじゃないか。こんな色気のない服なんて俺興味ないし。」
愛麗の父親は彼女のバッグから取り出したと思われる下着を愛麗の目の前でひらつかせる。
麗「ふざけんなあたしの服返せ!」
父「オー怖い怖い。そんな不細工な顔してほんと俺に全然似てないなお前!あの忌まわしいババア(愛麗の祖母)にほんとそっくりで気持ち割りいな。
あー気分悪くなったわ。俺の可愛い部下たち・・・ケイタ、ジュンイチ、フジワラ、ミサキ。こいつら始末してくれる?」
男1(以下ケ)「了解です。」
男2(以下ジ)「やーっと俺たちのでばんかぁ。」
男3(以下フ)「俺、女って嫌いなんだよね。殴り飛ばしてやりたいぐらいさ。」
女(以下ミ)「・・・了解。」
父の部下である4人は愛麗たちを取り囲み臨戦態勢に入る。
麗「咲彩、なんかこいつらに対抗できる手段思いつかない?」
咲「・・・この人たち武装してるし、私たちは素手だから無理かも。」
水「ならアタシがこいつらをぶん殴って・・・」
芝「おーっとお前ら、相手がその4人だけだと思ってもらっちゃ困るなぁ?」
凛「貴方は芝原先生・・・まだこんな組織に加担していたんですか!?」
あ「ちょっと、なんでここに芝原先生がいるの!?」
柚「あかり先生は知らなかったと思うけど、こいつ平穏人生の会の科学者なんです!」
芝「久しぶりだな。あたしは生泉の父親の教え子なんでね。師匠が困っていたら助ける。それが私のやり方だ!」
芝原先生は自分で作ったと思われるスライムを瓶の中から呼び出した。
フ「おいおい、俺たちに被害がないようにしろよな。」
芝「分かっているさ。スライム、そいつらの水着を残らず溶かして全裸にしてやんな。」
スライムが粘液発射のためのチャージを始める。
和「鷲宮!なんか発明品持ってないの!?」
エ「無理・・・全部奪われてる。」
芝「今回のスライムは蒸発しないように改造してあるし小細工発明で何しても無駄だ。スライム!粘液レインだ!」
粘液のチャージを終えたスライムは粘液を発射しようとするが・・・
ジ「芝原さんストップ!それ今発射したら俺たちにもかかるよね!?」
ケ「そういわれてみれば・・・」
ミ「服が解けるのは困るんだが・・・」
芝「そうか・・・ならお前ら発射する瞬間避けろ。それぐらいできるだろ?」
ジ「あ、それもそうだな・・・よし、みんな避けるぞ!」
芝「行けスライム!粘液レインだ!」
芝原が命令をした瞬間、愛麗たちを取り囲んでいた4人が回避し、発射された粘液が愛麗たちに降り注ぐ。
咲「みんな、できる限り当たらないようにガードして!」
姫「このスライムの粘液は服は溶かすけど皮膚は溶かせないはずなのだ。」
しかし、予想以上の大量粘液で何人かは水着に粘液を受けてしまっていた。
凛「私の水着が・・・」
陽「ふええ・・・胸が丸見えになっちゃうよぉ・・・」
環「粘液がべっとりして気持ち悪ぃ~!」
麗「あれ・・・?」
なぜか粘液が付着しても水着は解ける様子を見せない。
芝「あれー・・・失敗か。ま、そんな時もあるわな師匠ごめん。」
父「そうか。まあ気にするな。私は普通な悪の親玉たちのように失敗しただけで大事な弟子を切り捨てたりしない慈悲深い男だからな!」
環「普通なら悪の親玉になんてならねーし。」
父「ダメなら作戦を切り替えればいい!お前たち、あいつらの水着を引き裂け!」
ジ「へへ・・・やっと俺たちの出番か。」
再び4人が愛麗たちを取り囲む。しかも武器まで取り出してきた。
和「あんたたち刃物出すなんて卑怯よ!」
フ「ふん、そんなこと言われようと知ったことか。」
ミ「あの方のため、任務を実行する。それが私たちの目的!」
ケ「それじゃそろそろ・・・行かせてもらいましょうかねえ!」
ケータがそう言うと同時に4人は一斉に愛麗たちめがけて飛びかかる。
あ「みんな下がって私の後ろに!」
麗「もう・・・だめなの・・・?」
その時だった。建物の扉が開き、20人程度の大人の集団がなだれ込んできた。
集団は見事な連携プレイで愛麗たちに襲い掛かってきた4人を逆に投げ飛ばした。
ケ「うわっ!」
ジ「いてっ!」
フ「ちっ・・・」
ミ「フン・・・」(使用人の攻撃をかわして着地した)
?「「「お嬢様!ご無事ですか!?」」」
声の主は島中を捜索をしていた奈摘の家の使用人たちだった。
奈「みなさん、来てくれたのですわね・・・」
咲「それにしてもなんでここが分かったの?」
奈「これでこっそり場所を伝えたのですわ。」
奈摘は水着に着けていた機械を見せる。それは緊急連絡用のトランシーバーだった。
父「それで連絡したのか・・・卑怯なやつめ・・・」
麗「あんたがそれ言うの?早くあたしたちの荷物を返しなさい!でないと・・・」
父「くっそおおお!!!こんなもんいるか!」
愛麗の父親は奪ったバッグを愛麗たちの方へ投げた。
麗「よっと・・・みんな、荷物大丈夫!?あいつになんか抜き取られてない!?」
咲「うん、何とかね。」
姫「我のも無事なのだ。」
奈「全員無事に荷物を取り返せたみたいですわね。」
父「ここまで俺たちを追い詰めるとはわが娘とその友人たちにしては上出来だ・・・誉めてやろう。
だがな、俺たちの再出発の邪魔をしたお前らは絶対許さん全員ここで葬ってやる!」
愛麗の父親はそういうと自分の座っている席の横にあるボタンを押した。
麗「逆切れか・・・情けない奴だわ。」
陽「それよりも・・・なんだかこの建物が揺れてるような気がするよぉ・・・」
あ「まずいわ建物が崩れ始めてる
父「ま、崩れじゃないんだけどな。お前たち!指定の位置につけ!」
ミ・ジ・ケ・フ・芝「「「「「はい!」」」」」
そういうと部下たちはどこかへ向かって走って行った。
水「あいつら何やってんだ?」
柚「追いかけたほうがいいかな。獲物は逃がすなって言うし。」
あ「それよりも今は早く脱出するのが優先よ!」
使「皆様!出口はこちらです!」
使用人たちの案内で愛麗たちはなんとか崩れゆく建物から脱出することに成功した。
あ「全員何とか脱出できたわね・・・」
和「平穏人生の会の連中はどこへ行ったのかしら・・・まさか建物の下敷きに・・・」
父「ふはははは!お前たちどこを見ているんだ俺たちはここだぁ!!!」
愛麗の父親のけたたましい声が上空に響いた。上を見上げるとそこには巨大ロボットが飛んでいた。
嘉「ウソやろ・・・あんなロボット特撮にしかおらんやん・・・」
芝「師匠は頭がいいからな。研究所の一部をロボットに変形できるように改造しておいたんだよ!」
フ「これでお前たちも終わりだな。」
父「それじゃ行くぞ!虐殺ファイアー!」
愛麗の父親はロボットを操作し、右腕の火炎放射器から愛麗たちの近くにある木に向かって炎を打ち出した。
あっという間に山火事のように火が広がり始める。
麗「ちょ、熱い・・・」
環「ふざけんなし!この島の植物は何も悪いことしてないじゃん!」
ミ「だからなんだ?弱いものは死に絶えればいい・・・」
フ「お前たちも弱いしな。焦げた死体は海に捨てておいてやるよ。」
ケ「騎ノ風は天才を優遇しすぎたんです。だから僕たちがそのやり方を変えなければならないんだ!」
ジ「それにここは南海の無人島・・・お前たちが死んだことはそう簡単に公表されないっての。」
父「お前たちは実にいい部下だ・・・こんな部下を持てて俺は幸せだよ。」
愛麗の父親がそんなことを言っている最中奈摘の家の使用人たちは必至で消火活動をしていた。
使「水!もっと水を!」
使2「ダメです!火が燃え広がって・・・消しきれません!」
奈「わたくしの家のプライベートランドが壊れていきますわ・・・もうこの島は終わりですわね・・・」
父「ふははははは!!!ざまあみろ!!!!」
麗「あいつ・・・」
柚「なんとかあのロボットを停止させる方法はないかな・・・」
陽「ん?あの足のやつなんだろう・・・?」
咲「はるちゃん何か見つけたの?」
陽「あのロボットの足に赤いボタンがついているんだけど・・・」
環「よくわかんないけど、ああいう場合あのスイッチって自爆スイッチっていうケースが多いよね。」
凛「それならあのスイッチを押せばロボットが爆発するってことなんですね。」
和「ならあのスイッチさえ押せればいいってわけか。」
水「誰かボール持ってないか?アタシのシュートであのスイッチ押してやる!」
ア「水萌サン、大丈夫なんデスか?」
水「確かにアタシの専門はDFだ。だけどな、勝手に人の島に住みついて悪事を働くあいつらを許しちゃ置けないんだよ・・・なんとか狙ってみるさ。」
奈「ボールありましたわ。これでどうでしょう。」
奈摘が持ってきたボールは土で汚れているのか真っ茶色だった。
水「ずいぶん汚れてる年期物だな。」
奈「何かに役に立つかと思って牡丹駅の近くに落ちていたのを拾ってきたんですわ。」
水「まあいいや。いくぞ・・・おらあ!!!!」
水萌はロボットの足のボタンを狙い、ボールを蹴り飛ばした。ボールは赤いボタンに見事に命中した。
水「よし、やったぜ!」
そんなことも知らず、愛麗の父親たちはロボットの中でいい気になっていた。
フ「会長、そろそろ炎も飽きたし、次は冷気に変えようぜ。」
父「冷気か!いいなそれ。よし、次はあいつらに向かって虐殺ブリザードだ!」
ミ「この島はもうすぐ私たちのものだ・・・」
父「ふはははははははは!!!今日は絶好調・・・」
その時、ロボットの中が赤い光に包まれ、けたたましくブザーが鳴った。
父「ん・・・おい、これってまさか・・・」
ケ「あーこれは自爆システムですね。」
フ「誰か自爆ボタン押したのか?」
ミ「いや、押してない。」
ジ「俺も何もしてないぜ?」
芝「おい大変だ!あいつらが足にある緊急脱出用のボタンを押しやがった!」
父「なんだと!?じゃあこのロボットは・・・」
ケ「爆発しますね。早く脱出しないとです。芝原さん、緊急脱出システムを!」
芝「わりい、もうシステムを起動する時間ねえや。」
ミ「ということは私らは・・・」
フ「自爆に巻き込まれる運命ってことだな。」
父「嫌だ俺はまだ死にたくない!わが娘より先に死んでたまるか!」
ジ「ボスってなんだかんだ言って自分の娘さんのこと大事に思ってるんですねえ。」
父「それは違うっての!ああもうどうすれば・・・」
愛麗の父親がそこまで言いかけた途端、ロボットの上半身が大きな音を立てて爆発した。
父「なぜこんなめにぃ~!」
芝「くっそあんな場所に自爆スイッチを取り付けたのが間違いだったか・・・」
フ「あんたが取りつけたのかよ・・・」
ケ「ま、いいじゃないですか。また新しい作戦を考えましょうよ。」
ジ「お前こんな状況なのに冷静沈着だな・・・」
ミ「(考えるのよそう・・・)」
愛麗の父親たちは少年アニメの悪役のように地平線の彼方へ飛んで行った。のだが・・・
父「ぐえっ!」
愛麗の父親だけ爆発の時に受けた力が足りなかったのか、すぐ近くに落下した。
父「畜生なんで俺だけ落ちたんだよ・・・」
落下の衝撃で腰が抜けてしまった愛麗の父親に凛世が近寄って話しかける。
凛「あの・・・愛麗のお父様なんですよね貴方?」
父「ひっ・・・なんだよ。」
凛「貴方のせいで・・・愛麗がどれだけ苦労してきたか分かってんのか?」
父「知るわけないだろ俺はこいつの母親に精子を提供しただけで・・・」
凛「貴方は親としての責任を放棄してテロ組織なんかやっててどれだけ舐めてるんですかこら。」
父「お願いします許してください!」
凛「ダメです。さて、どんなお仕置きをしてあげましょうかねえ。そ・れ・と・も・・・イッカイ死ンデミマスカ?」
父「ひえええええ!!!覚えてろよ!!!」
凛世の狂気に怖気づいた愛麗の父親は猛スピードでその場を離れ、仲間が飛んで行った方に走って行った。
凛「あら、逃げられましたね。」
麗「(凛世って時々怖い・・・)」

その後森火事は使用人たちの消火活動によって消し止められ、島の森がはげてしまうことはなかった。
愛麗たちは元の場所に戻り残された時間でバカンスを楽しむことにしたのだった。
奈「それにしても、島全土が燃えることがなくてよかったですわ。」
麗「あたしの親父のせいでバカンス台無しよね・・・凛世にも無理させちゃってごめん。」
凛「愛麗が謝ることないですよ。それに愛麗のためならあれぐらいのこと何ともないですよ?」
和「そうよあいつあんたにとっては生物学上の父親ってだけで育てられてないんでしょ。そんな奴親じゃないわよ。」
咲「らっちゃんは悪くないんだよ?」
麗「みんなありがとう・・・だけど、あたしの中にあいつの血が流れていると思うと将来テロしちゃうんじゃないかなって時々思うの。」
柚「そんなことないと思うよ。犯罪者の血が流れているだけでその子供も犯罪者になるなんてことはないよ。」
エ「その通り・・・その理論で行くとここにいる全員が親に色々されてるから犯罪者予備軍ということになる・・・」
姫「我らの身内に誰かしら問題を起こすのがいるのはもうあたりまえなのだ。なら反面教師にして我らはあんな風にならないようにすればいいだけだよ。」
麗「そうね・・・今回はとり逃したけど、いつかあの醜い組織を解体できる日が来るといいな。」
愛麗は沈みかけたオ嘉月ジ色の夕焼けを見つめながらそんなことを思ったのだった・・・