騎ノ風市の一角に存在するショッピング施設。そこのドラッグストアで買い物をしている一人の少女がいた。
和「あたしの家からイノンに行くの大変だし、買い物頼まれたから行くのが楽だった薬局に来てみたけど・・・勝手が全く分かんないわね。」
買い物をしている少女は和琴だった。しかし、ドラッグストアに慣れていないのかかなり困っているようである。
そんな時彼女は見慣れた同い年ぐらいの少女を見かけた。クラスメイトで友人の生泉愛麗である。
和「あ、あれは・・・生泉~!」
麗「必要なものはこれとこれね・・・って和琴じゃない。買い物?」
和「そうなんだけど、ドラッグストアってあまり来ないから勝手がわからなくてさ・・・」
麗「今のドラッグストアは薬の多いスーパーみたいなものだからそんなに変わらないと思うけど・・・」
和「あたし日常品の買い物自体に慣れてないのよ。」
麗「わかったわよ、教えてあげるからついてきなさい。」
和「助かったわ生泉。」
和琴は愛麗にドラッグストアの買い物のやり方について教えてもらうことになったのだった。
~薬売り場~
麗「見ればわかると思うけどここは薬やサプリメントを取り扱っているところよ。何か薬で必要なものはある?」
和「そういえば風邪薬頼まれたんだけど。」
麗「そうなの、和琴の家で使ってるのってどれ?」
和「これ・・・だったかな?」
麗「あんまり確信が持てないなら無理して選ばない方がいいんじゃないの?薬だって結構高いんだから。」
和「だけどさ、急に薬がなくなったら困るじゃない。頼まれてるから買っていかないとだめなのよ。」
麗「ならこれがいいんじゃないの?あたしの家で使ってるやつだけど効くわよ。」
愛麗は和琴に銀色の箱に入っている風邪薬を渡した。
和「生泉のお墨付きなら安心ね。これにしようっと。」
麗「他になんか必要な薬あるの?」
和「特にないかな。風邪薬だけあればいいって言われたし。」
麗「そう、なら次に行こうか。この隣は日用品売り場だから。」
~日用品売り場~
麗「ここは日用品売ってるけど、ほしいものはある?」
和「頼まれているのはティッシュとシャンプーと洗顔フォームと・・・いっぱいあるわね。あ、これ家で使っているシャンプーだわ。」
和琴は比較的安売りになっているコーナーにあるシャンプーを手に取った。
麗「和琴ってそれ使ってんのね。髪パサつかないの?」
和「別に問題ないわよ。生泉はどれ使ってんの?」
麗「これね。まだ残ってるから今日は買わないけど。」
愛麗は比較的高そうなボトルに入っているシャンプーを手に取った。
和「そんなに高いの使ってんの?」
麗「別にいいでしょ。あたしの髪質だとこのレベルのシャンプー使わないと髪がダメなのよ。」
和「ウェービーヘアもいろいろ大変なのね。あ、切ればいいんじゃ・・・」
麗「それ以上言わないでくれる?言ったら1人で買い物して帰るわよ?」
和「冗談よ・・・生泉は散髪に色々トラウマあるんだったわよね。」
麗「まあ和琴はあの時まだ引っ越してきてなかったからね。今回は聞かなかったことにしておいてあげるわ。じゃ、次行こうか。」
~食品売り場~
和「ドラッグストアって食品も取り扱ってるんだ・・・」
麗「さっき今じゃスーパーみたいなもんだって言ったでしょ。ある程度の食品があるからここにあるやつだけで料理もできるわよ。」
和「ここで必要なものはお菓子だけね。地下書庫に置いておくの買っておかないと。」
麗「あのお菓子って和琴が買ってたんだ。」
和「天宮城に出してもらってるのよ。織田倉がかなり食べるから、ストック多めにしておかないとすぐなくなっちゃうし。」
麗「あれ奈摘が出してたんだ・・・あれ、話をすればなんとらね。奈摘、買い物?」
奈「あら、愛麗さんに和琴さん。こんばんわですわ。」
そこにいたのは1組の中でもセレブな金髪お嬢様、天宮城奈摘だった。
麗「お嬢様も買い物行くんだ。」
奈「行きますわよ?わたくしは毎日セレブな食事をしているわけではありませんもの。それにこういうお菓子って美味しいですものね。」
そう言う奈摘のカゴには大量のお菓子(チョコレートからスナック菓子まで)が入っていた。
和「そんなにお菓子買って・・・太るわよ?」
奈「心配いりませんわ。これは3か月分ですもの。カロリーの高いお菓子はたまに食べるのが一番ですわ。」
麗「だったらお菓子を買いだめする必要なくない?」
奈「わたくしの家の都合上中々買いに来れませんから。」
和「金持ちも大変ね。」
奈「まあ、どんなお菓子も愛麗さんの手作りお菓子のおいしさにはかないませんけどね。」
麗「ありがと、おだてても何も出ないけどさ。」
和「そんなにお菓子食べたいならうちの書庫来て食べればいいのに。」
奈「いえ・・・皆様の前でがっつくのははしたないですわ。それにパソコンしながら食べるのが一番おいしいですもの。」
麗「なんかそっちの方がはしたないような気がするけど・・・」
奈「自室で食べるのですから誰にも見られませんし問題ないですわ。」
麗「そう・・・じゃ、ここでの買い物も終わったし次行こうか。」
奈「わたくしもご一緒していいですか?」
麗「いいわよ。どうせ次で最後だしね。」
~電気小物・雑貨売場~
麗「ここで最後よ。とはいえ、ここにはあまり来ることはないけど・・・」
和「雑誌なんかも取り揃えているのね。ほんとスーパーみたい。」
奈「あら、電池がありますわね。切らしてたので買っておきますわ。」
和「いまどき電池って何に使うのよ?」
奈「テーブルランプとかですわ。」
麗「あとは懐中電灯とかにも使うわよね。」
和「そうね、そのあたりは充電よりいまだに電池式だからね。」
奈「それ以外ですと、USBメモリやSDカードもあるんですのね。」
麗「あたしはそういうのは家電量販店とかで買うかな。」
和「あたしもそうね。そういうのは電気店の方が性能いいわよね。」
奈「わたくしもお二人に同意見ですわね。」
麗「じゃ、そろそろレジ行くけど買い忘れはない?」
和「ええと・・・問題ないわ。」
奈「わたくしはそもそもお菓子以外買うつもりはありませんでしたし、特に問題ないですわ。」
~会計終了後~
麗「会計も終わったところで・・・和琴、大体わかった?ドラッグストアはこんな感じなのよ。」
和「スーパーとほとんど変わらないのね。」
麗「最近じゃ精肉まで取り扱いしてるからね。これであと鮮魚もあったらスーパーもなくなっちゃうかもね。
あとは公共料金の支払いや処方箋もやっている所も多いからそのうちドラッグストアだらけになっちゃうんじゃないかしら。」
奈「それはそれで見てみたい気もしますわね・・・」
和「生泉今日はありがとね。今後は問題なくドラッグストアを利用できると思うわ。」
麗「それはよかった。じゃ、あたしは帰るわね。和琴は奈摘送ってあげなさいよ。」
愛麗はそう言って帰って行った。
和「・・・ねえ天宮城。」
奈「なんですの急に・・・」
和「生泉の奴あたしたちに気を使ってくれたのかな?」
奈「さあ・・・それはわかりませんけど、良ければわたくしの家の前まで一緒に行きませんか?」
和「じゃ、あたしがエスコートしなきゃね。」
奈「よろしくお願いしますわね。」
和琴と奈摘は奈摘の家に向かい歩いていく。その空には綺愛麗な星が輝いていたのだった・・・