短編集2

1、陽姫の探偵お姉ちゃん

西園寺家は最近風見の中央住んでいる。陽姫の母親が騎ノ風市の中央にあるサンライズビルを収入8割を使って丸ごと買いあげたのである。
このビルは4階建てで1階は和琴の父親のレストラン出身のシェフがやっている野菜料理店が入っている。
このシェフは陽姫の母親の知り合いで店を出したかったらしいのだが、そんな時に陽姫の母親が1階を貸してくれたのだ。
2階は西園寺家の住宅、3階は陽姫の母親の個人事務所であり、母親のマネージャーの社宅でもある。
そして4階は・・・
陽「このビルエレベーターはあるんだけど停止中なんだぁ・・・」
咲「維持費とかの問題?」
陽「そうなんだよぉ・・・実質2階より上はわたしたちの家みたいなものだからねぇ。」
咲「私たちの家?2階ははるちゃんたちの家、3階はお母さんの事務所だとしても4階は・・・?」
陽「ああ、それはねぇ~」
?「たっだいまぁ~」
陽「あ~お帰りなさい。お姉ちゃん。」
咲「お姉ちゃん!?はるちゃんお姉さんいたの!?」
?「あなたが噂の咲彩ちゃんねぇ~中々大人っぽい顔してるわねぇ。」
咲「神原咲彩です。初めまして・・・」
咲彩陽姫の姉と名乗る人物をよく見てみる。
身長は妹よりも高く、185cmはあるだろうかという具合だ。
髪はピンクに黄色を混ぜたような色で、背中まで伸びている。陽姫よりは短い印象だ。
妹と同じようなたれ目で額も広い。前髪も後ろ髪と同じぐらい伸びている。
胸のボリュームは妹以上にすごい。ゆうに100cmは超えているだろう。
?「わたしは西園寺萌夏。陽姫の姉よぉ。
最近一緒に住むようになったのよぉ。」
陽「実はわたしも最近まで知らなかったんだ。
自分の血のつながった姉妹がいるなんて。」
萌「陽姫の従姉妹ってことは私も従姉妹って事よねぇ。」
咲「はい・・・」
陽「それにしても・・・お姉ちゃん大学はどうしたの?」
萌「ああ、実は依頼が入っちゃってねぇ。それで戻ってきたのよぉ。」
咲「依頼?お姉さん何かされてるんですか?」
萌「一応探偵やってまーす。」
咲「探偵!?」
萌「まあと言っても猫さがしとか落し物さがしとかそういうのばかりなんだけどねぇ。あ、依頼主待たせてるからそろそろ行くわねぇ。」
萌夏はそういうと4階に向かって行った。
咲「はるちゃん、人のためになることを積極的にやっているなんて素敵なお姉さんだね。」
陽「うん、わたしの自慢のお姉ちゃんなんだよ。」
そんな話をしていると萌夏が4階の事務所から降りてきた。
萌「今日の仕事完了~」
陽「お疲れ様~何か飲む?」
萌「そうねえ。紅茶くれるぅ?」
のんびりと会話する陽姫たちを見ながら自身が長女であるの咲彩はこう思うのだった。
咲「お姉さんうらやましいなぁ・・・」

2、UFOキャッチャー

騎ノ風市市にあるとあるゲームセンター。そこでエレナがゲームのうちの一つであるUFOキャッチャーをプレイしていた。
エ「これで10個目・・・」
怜は紙袋に景品を次々と入れていく。
そこをカード式の対戦ゲームをやっていたと思われるが環輝が通りかかる。
環「あれ、エレナちゃんじゃない。なーにやってたの?」
エ「これやってた・・・」
エレナが指さす方にはUFOキャッチャーがあった。中身は取りつくしているので空だ。
環「へー・・・私対戦ゲームばかりやってるから苦手なのよねこういうの。」
エ「コツぐらいなら教える・・・」
環「いいの!それなら少し教えてもらおうかな。」
エ「環輝ちゃんはいつもの奴だよね・・・」
環「そーなのよ!また全国3位の奴に負けちゃってさー!」
エ「レジェンドになるのも大変だね・・・」
環輝がやっているゲームはICカードに自分で育成したモンスターを保存し、そのモンスターを使って全国のライバルと戦うタイプのどちらかと言えば少年向けのゲームだった。環輝はそこで埼玉1位の称号を取った後、全国1位を目指しているのだが、全国3位の相手にどうしても勝てないらしい。ちなみに今の環輝の順位は全国で言えば4位である。
エ「このお菓子なんか取りやすそう・・・やってみる?」
環「うん。少しリフレッシュも大事だからね。」
環輝は100円を入れて、プレイしてみるが当然のごとく取れない。
環「まったく・・・「何が取りやすくなってます」よ!全然取れないじゃない!この張り紙嘘ばっか書いて・・・」
エ「環輝ちゃんのやり方では無理がある・・・こうやるの・・・」
エレナはまずクレーンの動く位置を確認し、100円を入れてクレーンを動かし始める。
そしてクレーンは絶妙な位置で止まり、お菓子の箱を持ち上げ取り出し口まで運んだ。
エ「どうぞ。私に付き合ってくれたお礼・・・」
エレナは今さっきとれたお菓子を梓紗に渡す。
環「いいの!ありがとう!・・・でもなんで1発で取れるわけ?」
エ「これはクレーンの感じが悪くない物だから簡単に取れる・・・それに環輝ちゃんが一回やってくれたおかげでクレーンの動きが分かったのもあるし・・・
中にはクレーンが異常にゆるく設定してあってどうしても取れない物もあるのでそれは諦めた方がいい・・・」
環「へー・・・プロはそんな風に見極められるのね・・・」
玲「別にプロじゃないけど・・・」
環「私から見ればプロにしか見えないけどなぁ。」
エ「え・・・」
環「なんてね。それと今日楽しかった。また一緒にゲームセンター行かない?私都会にある大きいゲームセンター知ってるから、そこに連れて行ってあげる。」
エレナは環輝の言葉について、少し考えてからこう返事をした。
エ「その気持ちは嬉しい・・・よろしくお願いします。」