水鉄砲バトル!

騎ノ風市は近未来都市だ。なので街全体の温度を調節する機能があるし、紫外線をガードする機能もあったりする。しかしそれでも暑いものは暑いのだ。
「今年は暑いわね・・・」
「今度の休みにみんなで市民プールでも行こうか?」
暑がる愛麗に咲彩がプールへ行くことを提案する。
「プールかぁ・・・前に変な奴に色々絡まれたことあったから嫌だなあたしは。」
「そうですよ!あのようなことをされたのですから愛麗に市民プールは危険すぎます!」
「そ、そうだよねなんかごめんね・・・」
「凛世ちゃん、別にさあちゃんはそう言うつもりで言ったんじゃないと思うんだけど・・・」
「それはわかってますけど・・・私は愛麗が危険な目に合うのが嫌なだけで・・・」
「せやけど、あん時は愛麗ちゃんがガラの悪い連中に無理やり水に沈められたもんなぁ。」
「たしかあの人たちは出禁になったって言ってたけど・・・違う人が突っかかって来る可能性だってあるよね。」
「ってかさ、アタシらが海とかプールとか行くと必ずと言っていいほどガラの悪い奴に絡まれたり、変な奴に出くわしたりするよな・・・なんでだろうな?」
「なんかあたしのせいで色々いい争いになってごめん。」
「こうなっちゃったのも暑さが原因なのかもね・・・」
「皆さん行き詰っているようですわね・・・わたくしにいい案がありますがどうですの?」
「いい案って何よ有馬殿?」
「実は郊外に新感覚の涼しさが味わえる施設がオープンしたのですわ。大人数で楽しめるアトラクションなので良かったら次のお休みに皆で行きません?」
「いいじゃん!楽しそうだし!レナちゃんもいいって思うよね新感覚アトラクション!」
「うん、新感覚のアトラクションいいかも・・・」
奈紬の新感覚アトラクションという言葉の響きで環輝とエレナが乗り気になる。
「家で研究しているばかりの環輝がそこまで食いつくなんて珍しいわね・・・」
「研究者としては常に新しいものを追い続けないと気が済まないの!」
「研究者言うより、ギャル的なノリに見えるんやけど・・・」
「きっかけは何でもいいんじゃない?興味を持ったら何でもやった方がいいってボクは思うけど。」
「インドアのたまちゃんとレナちゃんがあそこまで興味を持ってるなんて珍しいね・・・私たちも行ってみようか?」
「そうだな。ずっと家の中にいても健康に良くないしな。」
「うむ、我も夏休みになって家に居づらいから参加するのだ。」
「では皆さん参加という事で・・・次の日曜日に予約しておきますわね。」

次の休日、1組の生徒たちは奈紬に連れられて全員で騎ノ風市の郊外にある施設にやってきた。その施設には水鉄砲バトルロワイヤルと書かれていた。
「バトルロワイヤルって・・・殺し合いならごめんなんだけど。」
「まだ死にたくないです。」
「いえいえ、そういう意味の施設ではありませんわ。チームに分かれて水鉄砲で撃ち合ったり水風船を投げつけたりして楽しむのですわ。」
「それやってなんで涼しくなるんだ?」
「使う武器が銃ではなく水鉄砲なのですわ。チームに分かれて相手チームに水をかける・・・そんなゲームなのですわ。」
「そういうことか。水をかけあえば確かに涼しくはなるよな。」
「それは楽しそうだね。ボク期待しちゃっていいかな?」
奈摘の説明を聞いた水萌は納得し、柚歌は期待を高める。
「チームとかはどうやって決めるのだ?」
「仲のいいメンバーで・・・と思ったのですがたまには新鮮さが必要かと思いますので、こちらのコンピューターを使ってすでに割り振ってありますわ。」
奈紬は12人の目の前にあるモニターを指さす。そこには・・・
Aチーム 愛麗 凜世 水萌 柚歌 奈紬 嘉月
Bチーム 咲彩 和琴 苺瑠 陽姫 環輝 エレナ
となっていた。
「この組み合わせは完全なランダムですので、変更はできませんわよ。」
「チームのリーダーは私とらっちゃんみたいだね。」
「愛麗と同じチームで嬉しいです。」
「アタシは咲彩と別かよ・・・」
「みなちゃん落ち込まないで一生の別れじゃないんだから。」
「では皆さん、まずはルールの説明ですわ。」
奈紬はそう言うと、モニターを操作する。すると、画面にロボットが映りルールの説明を始める。
『水鉄砲バトルロワイヤルへようこそ。私はルール説明担当のロボッツだ。では、皆さんにルールの説明をさせていただこう。この競技はAチームとBチームに分かれ、水鉄砲と水風船を使って相手チームにダメージカウンターにぶつけ、先に相手チームを全滅させた方が勝利となる。水鉄砲はウォ-ターガンタイプのものを用意してあるのでそれを使用してもらう。また、プレイヤー全員は腕にダメージカウンターを装着してもらう。このダメージカウンターは相手チームの水鉄砲から発射された水が1発でも当てられると脱落となる。なお、水鉄砲の水の補充はフィールド上にある蛇口でしか行えないので慎重に使うといい。なお、水鉄砲で狙う場所はダメージカウンターでなくても構わない。では、諸君たちの健闘を祈る。』
案内役のロボッツが映ったモニターはそこまで言うと消えてしまった。
「では、ダメージカウンターはこちらですので、これを装着してフィールドへ出てくださいまし。そちらに水鉄砲や水風船が用意されてますわ。」
「水鉄砲での打ち合いかぁ・・・これは涼しくなりそうね。」
AチームBチームの二手に分かれた12人は用意された水鉄砲を持ってダメージカウンターを装着し、フィールドに出たのだった。

2チームが向かい合い、指定の位置に立つと「試合開始!!!」と、力強い言葉がフィールド上に響き渡り試合開始の合図が告げられる。
「えっと・・・これをダメージカウンターに向かって撃てばいいんだよね。それっ!」
咲彩が手持ちの水鉄砲を愛麗に向かって撃つ。しかし、命中したのはダメージカウンターではなく胸の真ん中あたりだったが。
「きゃ・・・どこ撃ってんのよ!そう来るなら、あたしはこれで反撃するか!」
愛麗はすぐさま自分の水鉄砲を咲彩の髪に向かって当てる。
「きゃっ!・・・もうらっちゃん、髪に当てちゃだめだよ!」
「なるほど・・・水鉄砲を相手のダメージカウンターに当てて倒していくゲームなのですね。」
「感心している場合じゃないだろ早く回避か攻撃しろよ凜世!」
「ひゃっほー!これめっちゃたのしーじゃん!!!」
「ただ水を当てるだけのゲームだけどこれは面白い・・・」
「ダメージカウンターを守ることで身体に水がかかることによって涼しくなるからいいよね。行くよ陽姫ちゃん!」
「ユズちゃん、急に水当てないでぇ!避けられないよぉ。」
「うむ、力をいれなくても楽しめるいいゲームなのだ!」
「ひゃん!額狙うんはやめてや!」
「全く、こんなことぐらいではしゃぐなんてあんたたち子どもね。」
「お前も同い年だろ!さっさと除けるか攻撃するかしないとアタシがやっちまうぜ!」
「皆さん楽しく水鉄砲合戦してくれてよかったですわ。さ、わたくしも行きますわよ!」
そんな感じで水鉄砲で楽しく遊ぶ愛麗たち。その姿を見ているだけで楽しそうだ。

同じころ施設の入り口ではもめごとが起こっていた。
「ちょっと!今日は私様が予約したんだけど貸切ってどういうことよ!」
「すいません・・・今現在団体のお客様がご利用されておりまして・・・」
「数日前に今日の利用予定で悪寺で予約したんだけど!?」
「悪寺様のご予約は確認しましたが本日は入っておりません・・・」
何人かの取り巻きを連れて、ガラの悪そうな悪寺という女が施設の係員に詰め寄っていた。
「悪寺様・・・別の方の予約が入っているのですから帰りましょうよ。」
「嫌よ!私はこの施設で涼しい思いをするの!もういいわ私様が用意した水鉄砲と水風船はあるわよね!?遊んでいる奴らを叩き潰してやるわ!」
「はい・・・ありますがあれは危険ではないでしょうか・・・?」
「関係ないわ!私様の予約を無視して遊ぶ連中なんか叩き潰してあげる!」
「ちょっとお待ちを・・・」
悪寺と名乗った少女は取り巻きを引き連れ水鉄砲を抱えると係員を無視して愛麗たちが遊ぶ施設の中に無理やり乗りこんでいった。

そんなことは知らない愛麗たちは夢中になって遊んでいた。開始から数十分経っていたので皆バラバラになってしまい、この場にいるのは愛麗と咲彩だけだ。
「咲彩、なかなかやるじゃない。」
「らっちゃんだって・・・ここまで動きが速いとは思わなかったけどね。」
「日々の軽い運動は無駄じゃなかったってわけよ。よし、次で勝負をつける・・・」
愛麗がそう言いかけた時、横から赤色の水風船が飛んできた。赤色の水は咲彩と愛麗にそれぞれぶつかり、割れた風船から赤色の水が散布し、2人に少しかかってしまう。
「ちょ、この赤い水は何なの・・・辛い!?」
「なんなのこれぇ・・・辛いよ・・・」
赤い水が飛んできた先からは受付の女性といい争いをしていた悪寺という少女と取り巻きが現れた。
「貴方たち!私様たちが予約した施設で何好き勝手に遊んでいるの!?」
「あんたたちこそ何なのよ!それにこの水風船何なの!?」
「これは私様が開発した唐辛子入り水風船よ。すごい威力でしょ?私様は悪寺姫妃(プリンセスクイーン)。生まれながらにして貴族の姫なのよ!」
「貴族の姫?ちょっと何言ってんのかわかんないんだけど。」
「プリンセスクイーン?厨二病さんかな?」
「違うわよ!私様は本当に貴族の血を引く良血統なの!雑種の貴方たちと一緒にしないで頂戴!!!」
「雑種って・・・犬じゃないんだから血統も何もないじゃん・・・」
「うるさい子ね!貴方たち!唐辛子水鉄砲をこいつらにかけてやりなさい!失明させてやる!」
「は、はい・・・」
取り巻きたちは気が進まないようだが、悪寺の命令で仕方なくで水鉄砲の銃口を咲彩と愛麗に向ける。
「失明!?どうしようらっちゃん・・・」
「こっちは2人で向こうは5人・・・咲彩、今は緊急事態だからここを離れて他の子たちにスマホで連絡して。」
「らっちゃんはどうするの?」
「あたしがこいつらを引き付けておく。その間に何とかしてくれればいいから。」
「らっちゃん・・・ごめん!」
咲彩は愛麗にひとことそう言うとその場を離れて逃げた。
「ちっ、1人逃げたみたいね・・・」
「あんた達の相手はあたしがする。」
「へぇ、ここは私が引き付けるからあんたは逃げろってところかしら・・・そう言うの大っ嫌い!あんた達、あのチビに向かって発射!」
悪寺は取り巻きたちに唐辛子水鉄砲を発射するように指示した。愛麗はなんとか悪寺達の攻撃をかわしつつ、自らも水鉄砲で応戦した。
「(咲彩、急いで・・・)」

一方の咲彩は水鉄砲合戦をしていた全員に連絡を取り、近くにあった隠れられそうな場所に集めると今回の事情を説明した。
「・・・ということなの!このままだとらっちゃんがその悪寺とかいう子たちに怪我させられちゃう。なっちゃん、急いで施設の人に連絡を取ってもらえる?」
「分かりましたわ・・・はい、はい・・・先ほど受付でもめごとがあったみたいでして、もうすでに警備隊はこちらに向かっているようですわ。」
「愛麗・・・心配です・・・」
「生泉ってそんなに体力持つ方じゃないわよね・・・あたしらで生泉を助けたほうがいいんじゃないかしら?」
「何とかするって言ったって・・・相手は唐辛子水鉄砲を持ってるんだろ?素手で倒そうとしたら逆にやられちまうんじゃないか?」
「しかも失明させてやるって、向こうはウチらをの目を潰す気満々やん。」
「ボクたちにもここにある物で何かできることがあればいいんだけど・・・」
「物って言ったって、この辺には木しか生えてないじゃん。」
「あっ、今の環輝ちゃんの言葉でいいこと思いついたよぉ!」
「どうしたのはるちゃん?」
「ここに生えている木を使って道具を作れば対抗できるんじゃないかなぁ?」
「道具・・・それだよ!レナちゃん、木で何か作れそうな武器はない?」
「木・・・私が作れそうなのはパチンコ位。だけど・・・今日は運よくこれ持ってる。」
エレナは愛用のポーチからヘリウムガスの入った缶を取り出した。
「ヘリウムガスでなにができるんですか?」
「確かにこれだけじゃ難しい。だけどこのガスを弾に詰めてパチンコで打ち出せば相手の声を変えられるから動揺させるぐらいはできる。殺傷能力もないから安心。」
「効果があるか分からないけど、やってみる価値はありそうだね。」
「よし、愛麗を助けるためにもみんなやるぞ!」
「愛麗を助けるためなら手伝います!」
咲綾たちはエレナを中心にパチンコの制作とヘリウムガス弾の制作に取り掛かる。
「そういえばなんでレナちゃんヘリウムガスなんかもってんだし?」
「たまーにだけど自分の声を変えたくなることがあるの・・・」

「もっと目と口と皮膚を狙いなさい!」
「は、はい・・・(疲れてきた・・・)」
「分かってます・・・」
「きゃ・・・また向こうから水が・・・」
「相手から反撃が来るのなんて当たり前でしょ!怯むんじゃない!!!」
「(あたしも疲れてきたけど・・・向こうの動きが遅くなってるようにも見えるわね。)」
愛麗は咲彩を逃がした直後から、悪寺の取り巻きたちが撃つ唐辛子水鉄砲を自分の持っている水鉄砲で反撃しつつかわし続けていた。
しかし、愛麗の動きが速いのか、悪寺に怒鳴り散らされることによって取り巻きたちが疲れてきたせいなのか定かではないが今のところ一発も当たっていない。
「この役立たず共が!もう限界、私様がこのスナイパーライフル型水鉄砲であいつを射抜く!これなら確実に当てられるしね。」
悪寺は我慢ならずに自分の水鉄砲を取り出して愛麗の目に標準を合わせ、撃つために構える。
「あんなので狙われたりしたらもう避けられない・・・」
「ふふ、これで終わりよ!!!」
悪寺が愛麗の右目に標準を合わせ、唐辛子水鉄砲を発射しようとしたその時・・・
「愛麗!」
凜世が現れて悪寺に向かってエレナ作のパチンコを撃った。弾はしっかりと目標である悪寺に命中し、弾からヘリウムガスが飛び散った。
「ちょ・・・何よこれ、声が変になってる!?」
「皆さんも愛麗を助けるために早く撃ってください!」
「分かってるわよ急かすな!」
「わたくしパチンコは初めての経験ですわ。」
「了解だし!」
「これでいいのかな・・・」
凜世の指示で次々にヘリウムガス弾を悪寺と取り巻きに当てていく。
「悪寺様・・・私たちも声が変になってしまいました・・・」
「うるさいわね!怯むんじゃないわよ!」
ヘリウムガスによって変声した声で悪寺は取り巻きたちを怒鳴る。
「愛麗!大丈夫ですか・・・?」
「もう疲れたよ・・・」
「うむ、今はゆっくり休むのだ。」
悪寺達が動揺している隙に凛世と苺瑠が疲れ切った状態の愛麗を助け出した。
「人質が・・・」
「あなたたち!この施設は今現在わたくしたちが使用中なのですわ!勝手に好き放題暴れてただで済むと思わないでくださいな!」
「やかましいわね!あんたたち全員失明させてやる!」
人質(?)だった愛麗を救出されてしまって怒り狂った悪寺は水鉄砲を周囲に乱射しまくる。
「みんな避けて!あの水は危険なの!」
咲彩が乱射をなんとかよけるように指示するが、無鉄砲でこそあったが何人かは被弾してしまった。
「これ何なの右腕の皮膚が痛いじゃん・・・」
「ひりひりするんやけどなんなんこれ・・・」
「あーっはっはっは!私様はね、敵が傷ついている姿を見るのが大好きなのよ!愉快愉快!!!」
被弾した嘉月と環輝を見てあざ笑う悪寺。その時草陰から10人ほどの大人が飛び出してきた。
「奈摘お嬢様!警備隊到着しました!」
「・・・ちょっと遅かったですが、あの不正をした者たちを捕えなさい!」
「承知しました。」
警備隊は悪寺達を取り囲むとあっという間に悪寺と取り巻きたちを取り押さえ捕まえた。
「離しなさいよ!私様はこんなところで捕まるような奴じゃないの!!!」
「大人しくしろ!不正な武器の持ち込みは反則だ!」
「覚えてなさいよあんたたち!」
悪寺は捨て台詞を履いて取り巻きたちと共に連行されたのだった。
「皆さん申し訳ありませんわ、わたくしがここを紹介したばかりに・・・」
「奈摘が悪いわけじゃないでしょ。」
「そうだよぉ。それにあの子たちだって本当は遊びたかっただけなんじゃないかなぁ?」
「齋穏寺、あいつらに限ってそれはないわよ。」
「水の掛け合いは夏らしくて楽しかったで?」
「皆様ありがとうございますわ・・・こんなに素敵な友人たちがいてわたくしは幸せですわ・・・」
「今日は帰りましょうか。もしよければ日にち改めてこの施設を満喫していただければいいのですが・・・」
「もちろんよ。今度は邪魔者なしでウォーターガンの打ち合いやろっか。」

水鉄砲施設での事件から数日後。夏が終わりかけているとはいえまだまだ暑い。愛麗たちは地下書庫で厳しい残暑をやり過ごしていた。
「夏が終わりかけているとはいえ、暑さは変わんないわね・・・あーもうここから出たくないっ!」
「それにしてもこの前の水鉄砲施設、邪魔さえ入らなければ涼しくて楽しかったと思うのだ。」
「あの時は結局疲れちゃったねえ。」
「あたしたちって変な奴に絡まれる星の下にでも生まれて来たのかしら・・・」
「ほんとよね。夏になるといつも同じようなことが起こるじゃない。」
「愛麗、眞武さん。そんなに落ち込まないでください。夏が来ると変な人が増えるっていうじゃないですか、あの方達はその変な人に該当する存在だったんですよ。」
「確かに冬になるとあまりそういう奴らに絡まれることは少ななるなぁ。」
「結局あの悪寺って奴は何者だったんだろうな?」
「調べてみたけど・・・お嬢様学校とは名ばかりの隣町にある無利ン畝巣(プリンセス)学園っていう落ちぶれた人間が通う学校の生徒みたいだし。生徒の素行も最低レベルって書いてあるよ。」
「それでよく高校として成り立ってられるな。」
「そんな名前の学校あるんだね・・・」
「その学園の経営者のやる気のなさが名前を聞いただけで伝わってくるのだ。」
「皆さん落ち込んでいるようですし今度はわたくしたちの実家の傘下にあるプールに行くのはどうですの?わたくしの権限で貸切にもできますわよ?」
「奈摘、しばらくそういう施設はいいかな・・・どうせなら普通にショッピングとか行こうよ。」
「確かにその方がいいのかもしれませんわね・・・」
奈摘は愛麗の言葉に納得しながらそう言ったのだった。
なお、悪寺と取り巻きは他校の生徒に危害を加えたということで、悪寺が1か月、取り巻きが1週間の謹慎になったんだとか。