真夏の美少女達2014

今日は真夏日。人間、特に肌の白い女の子たちにとっては地獄ともいえる天気である。
凛世の実家の黒船蕎麦には水晶学園1-1のメンバーの一部が集まって暑さをやり過ごしていた。
麗「凛世~暑すぎてしょうがないんだけど・・・」
凛「そうですねぇ・・・ここから出るともっと暑いですし・・・そういえば今日は私に何か話があるんでしたよね?」
麗「ん~?・・・ああ、うちの近所の知り合いに風見市民スパリゾートの無料招待券貰ったんだけど・・・よかったら一緒に行かない?」
凛「(これってデートのお誘い・・・?)もちろん行きま・・・」
麗「あ、ごめん。その顔だと2人きりだと思ってた?実は招待券あたしらの分を含めて5枚あって・・・あと3人誘っちゃったんだ・・・」
凛「そうなんですか・・・でもいいです。大勢で行った方が楽しいでしょうし。それにしても誰を誘ったんですか?」
麗「ああ、それならもうすぐここに来ると思うから。」
その時、黒船蕎麦のドアが開き、3人ほど女の子が入ってきた。入ってきたのは・・・
陽「あ、愛麗ちゃん何か話があるんだよね?」
麗「そうよ。急に呼び出して悪かったわね。」
陽「いいんだよぉ。わたしは結構暇してること多いし・・・あ、愛ちゃんの叔父さ~ん。盛蕎麦の大盛りを1つ~。」
麗「これから食べるの!?まだ朝の10時じゃない!」
陽「夏場になるといつもお腹空いちゃうんだぁ~」
麗「暑いのに元気だこと。」
嘉「愛麗ちゃん久しぶり~」
麗「久しぶりね嘉月。撮影旅行はどうだった?」
嘉「楽しかったで。ええ写真撮れたから後で見せるわ。」
麗「1人で寂しくなかった?」
嘉「あ、言うてなかったんやけど伯父さんと一緒に行ってたんや。」
麗「1人じゃなかったんだ・・・」
嘉「未成年1人じゃ危ないって言われて店休業にしてまで付いてきてくれたわ。」
麗「それならよかったじゃない。」
奈「愛麗さんお誘いありがとうございますわ。」
麗「奈摘、雑誌の売り上げどうだった?」
奈「今回は50万部作ったのですが、48万部売れましたわ。
残りの2万部は信頼できる同人誌店に委託してきましたわ。」
麗「中々の売り上げじゃない。今回はどんな話書いたのよ?」
奈「いわゆる同性ハーレム・・・主人公の女の子に恋した女の子たちがあの手この手で主人公の女の子の気を引こうと奮闘する、究極の百合ラブコメですわ!」
麗「やっぱり奈摘の考えるもんはすごいわ。」
凛「あの・・・この3人と私たちで行くんですか?」
麗「そうだけど。一応全員に聞いて回ったけど、行けそうなのこの3人だけだったのよ。凛世が無理だったら、4人で行ってたけど。」
凛「そうだったんですか・・・」
麗「デートならまた今度付き合うから。」
凛「分かりました!楽しみにしてますね!」
麗「急に元気になったな・・・よし、さっそく行くわよ。」
陽「待って~まだお蕎麦食べ終わってないよぉ・・・」
麗「そういえば頼んでたっけ・・・早く食べちゃいなさい。待っててあげるから。」
陽姫が蕎麦を食べ終わったのち、5人はバスに乗って市民スパリゾートへ向かったのだった。

バスに揺られて30分後。愛麗たちは風見市民スパリゾートに到着した。
更衣室に向かった5人は水着への着替えを行っていた。
凛「あの・・・愛麗。」
麗「何?・・・水着にあってるわね。」
凛「そうですか?ありがとうございます!」
愛の水着は彼女の好きな黒色のセパレートで一見セクシーながらも下半身の部分はスカートのようになっており、可愛さの中に大人っぽさを感じる、そんなデザインだった。
凛「あ、今はそういうことではなくて・・・私の髪を結わいてもらえませんか?」
麗「なんであたしに?」
凛「前愛麗が髪の毛を結うのが上手だと聞いたことがあったので・・・無理なら別にいいんですけど・・・」
麗「あたしでよければやってあげるわ。そこ座って。」
凛「分かりました。」
愛麗は愛を洗面台の前にある備え付けの椅子に座らせた。
そして、愛の黒髪を少し梳かすと2つに分け、高い位置でツインテールのように結んでいく。
結んだツインテールをそれぞれの結び目の根元にお団子の形が綺愛麗になるように巻きつけ、愛の髪をすっきりしたお団子頭に仕上げた。
麗「どうかな・・・?不満あるなら言ってもいいわよ。」
凛「すごい・・・いつもの私とは雰囲気が全然違う・・・ありがとうございます!」
麗「愛って普段髪の毛結ったりしないでしょ。まああたしもやらないんだけど。
それにしても愛の髪・・・黒のストレートで羨ましいわ。あたしの癖毛とは大違い。」
凛「私は愛麗みたいなふわふわの髪も可愛らしくて羨ましいですよ。
それにしても愛麗はなんでこんなに上手なんですか?」
麗「妹の髪をよくやってあげてたから。」
凛「そうなんですか・・・それより愛麗。なんで水着着てないんですか?」
愛が指摘する通り、愛麗は未だに私服のままである。
麗「皆が言ってから着替えるから、愛は嘉月たちと合流して先行ってて。
・・・はっきり言うと人に肌見られるのが恥ずかしいのよ・・・」
凛「はい・・・分かりました。」

愛がついた頃にはほかの3人はすでに到着していた。
奈「遅かったですわね。待ちくたびれてしまいましたわ。」
奈摘の水着は黄色を基調としたセパレートで下は紐パンタイプ、上はスポーツブラのような形をしている。
髪型はいつも通りのツインテールのままで泳いだりするために解いたりはしないらしい。
凛「天宮城さんは意外とおとなしめなんですね。黄色で目立ちますけど。」
奈「まぁわたくしはお色気担当するつもりなんかありませんから。
それにしても・・・愛さん、髪結わいたんですね。わたくしが妄想できるぐらい似合ってますわよ。」
凛「ありがとうございます。これは愛麗にやってもらって・・・」
嘉「そういえば愛麗ちゃん一緒や無かったの?」
嘉月の水着は薄紫色のフリル付きビキニで可愛らしい。
小柄ながらも自己主張を忘れない胸の脂肪が揺れて目立つ。
陽「心配だしちょっと見てこようか~?」
陽姫の水着は彼女の胸に会う大きいサイズをした花柄の水着だった。
バスト99を持つ陽姫のことである。これしか合う水着が無かったのだろう・・・
むしろ合うサイズのもが見つかったこと自体が奇跡だと思う。
麗「陽姫、今来たからその必要はないわ。」
声のした方から愛麗が歩いてくるが・・・その恰好は
凛「愛麗・・・あら?水着は?」
麗「着てるわよ。この下にね。」
愛麗の恰好は水着・・・の上に上着を着ている。
下半身にはパレオを巻き、足を徹底的に隠しているようだ。
嘉「なんでそんなに厚着してるん?」
麗「男に見られたくないからよ。まったく水着っていう丸出しの服は苦手なのに・・・あんたたちは良く平気よね。」
陽「別に丸出しじゃないよ~」
嘉「ウチは別にみられてもそんなに・・・それにウチを見る男なんておらへんよ。」
麗「(自覚なし天然どもめ・・・)」
奈「そうですわ。それにわたくし愛麗さんの水着見てみたいですわ。」
凛「愛麗・・・お願いします・・・殿方が寄ってきたら私たちが全力で退けますから・・・」
麗「そこまで言うなんてしつこい・・・分かったわよ脱げばいいんでしょ!」
愛麗は仕方なく上着を脱いだ。
愛麗の水着はパレオと同じデザインの真っ赤なビキニであった。
カチューシャと同じ色のその水着は愛麗の豊満な乳肉を引き立てている。
下半身部分の両脇の紐を見るにどうやら紐パンタイプの水着のようだ。
麗「これで満足!?」
凛「愛麗すごく素敵じゃないですか!」
奈「赤い水着が白肌をすごく引き立ててて・・・そそりますわねこれは。」
麗「終わったらすぐに着替えてやるんだから・・・」
凛「別にけなしてなんかないですよ・・・」
嘉「そんなんで怒ってたら遊ぶ時間無くなってまうし・・・はよ行こう?」
麗「ったく・・・待ちなさいよもう!」
愛麗はやや不機嫌な態度を取りながらもプールに向かった4人を追いかける。

1時間後、スパリゾートの様々な施設を回って遊び疲れた5人はプールサイドに設置された休憩所にやってきた。
奈「はぁ・・・少し疲れましたわね・・・」
凛「ホントですね~・・・こんなに体動かしたのは久しぶりです。」
陽「ちょっと休憩しようか・・・」
嘉「ちょっとはしゃぎ過ぎたわ・・・」
麗「あんたたち体力ないのね~」
奈「愛麗さんはまだ元気そうですわね。」
麗「あたしは定期的に運動してるから。」
凛「さすが愛麗!立派な心がけですね!」
麗「対して運動してないのに、ふくよかなバストと細い腰を両立している愛の方が羨ましいわ。」
凛「正直髪以外の部分については意識したこともなかったです。」
奈「わたくしも・・・ヌードデッサン以外に役立てたことはありませんわね。」
陽「そうだよぉ~身長が大きくても胸が大きくても同じ女子じゃない。」
麗「(なんでこの子たちこんなに謙虚なんだろ・・・あたしが馬鹿みたいじゃん・・・)」
自分のスタイルについて、謙虚すぎる4人を見て少しうなだれる愛麗だった。
奈「皆さん何か食べたい物ありますか?わたくしが買ってきますわよ?」
麗「かき氷をお願い。メロン味ね。」
凛「私もかき氷でお願いします。宇治抹茶で。」
嘉「ウチはブルーハワイがええなぁ。」
陽「私いちごミルクでぇ~」
奈「それでわたくしがレモンと・・・見事に割れましたわね。早速買ってきますわ。」
全員の注文を聞いた奈摘は売店の方に走っていく。
陽「そういえば愛麗ちゃん。」
麗「なによ。陽姫が話しかけてくるなんて珍しいわね。」
陽「今日誘ってくれてありがとう。柚歌ちゃんがお母さんの個展をやる準備で忙しくて一人でいること多かったから・・・」
麗「そう、まああんたがまた暇してたら誘ってあげてもいいわよ!」
嘉「愛麗ちゃんツンデレやなぁ。」
凛「そうですね。そんな愛麗も可愛いです。」
麗「う・・・うるさあああい!ツンデレじゃないってば!」
その時奈摘がかき氷を5人分持って戻ってきた。
奈「何大声で叫んでるんですの。迷惑ですわ。」
麗「う・・・ごめ・・・」
奈「どうせまた貴方たちで愛麗さんをおちょくってたんでしょう。」
嘉「なんでわかるん?」
奈「愛麗さんの性格を考えれば分かりますわよ。でもだめですわよ。公共の施設でそんな風にしちゃ。やるなら学校か自分の家にしないと周りに迷惑ですわ。」
凛「それもそうですね。」
陽「場所がダメだったねぇ~」
麗「いや・・・そういう事じゃなくて・・・」
奈「ほら、早くかき氷食べないと溶けてしまいますわよ。」
陽「そうだねぇ~食べようか~」
麗「あんたら・・・あたしの話を聞けええええええええええええ!!!」
愛麗の叫びはスパリゾート中にこだましたのだった・・・

時刻は午後5時。
遊び疲れた5人は市民スパリゾート前で帰りのバスを待っていた。
嘉「今日は疲れてもうたわ・・・」
奈「でもまた来たいですわ。今度は咲彩さんも一緒に。」
陽「そうだねぇ~。こんなにいい施設だから柚歌ちゃん喜びそうだよぉ~」
麗「あんたたちのせいであたし疲れた・・・」
凛「愛麗顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
麗「まあ何とか大丈夫だけど・・・愛、あんたも共犯だからね!」
凛「そんな・・・ごめんなさい・・・」
麗「まあいいわよ・・・スパリゾート自体は楽しかったし・・・今回はなかったことにしてあげる!」
凛「愛麗・・・」
麗「だけど今後はあまり調子に乗らないようにね。」
凛「はい・・・ごめんなさい・・・」
そんな会話をしているとき、陽姫が空に輝く一番星を見つけた。
陽「あ!一番星だぁ~」
嘉「綺愛麗やなぁ~」
凛「明日は晴れますかね?」
麗「うんまぁ飛行機雲とかないし晴れるんじゃないの・・・あ、バス来たから早く行きましょ。」
奈「愛麗さん今の発言ムードぶち壊しですわ・・・」
麗「うるさいわね!そんなこと言ってると置いてくわよ!」
一番星に見とれていた4人を早くバスに乗るよう急かす愛麗。
その頭上では陽姫が見つけた一番星がいつまでも輝いていた。