日帰り温泉~13又をした男の話~

昔、騎ノ風市にある男が住んでいました。その男は教師でした。
男は一人っ子で寂しく育ったこともあり、子供をたくさん欲しがりました。しかも、一人ずつ別の妻との間に出来た子供を欲しがったのです。
彼は13又を決行し、13人女性との間に女の子を1人ずつ、合計13人もうけたのです。
しかし、不倫はばれるもの。13又などをしていれば女性たちはたちまち怒りにかられ、男の所に
「あんたみたいな最低な男の血をひいた子なんているか!!!」
といって男の元に13人の女児を置いて行きました。男は自分が欲しがったものだからと13人の女児を育てることにしました。
教師としての稼ぎも少なく、全員年子なので育てるのには苦労しましたが、男は幸せでした。
女児たちが中学生を卒業する間近になったある日。彼女たちは男に聞きました。
「どうして私たちには母さんがいないの?母さんがいないせいで学校でいじめられるの。」
男は回答に困りました。本当の事なんて言えるはずがありません。結局男ははぐらかして娘たちに嘘を教えていました。
結局その後、娘たちが高校卒業のころにふとしたことで13又の事実がばれてしまい男は娘たちに問い詰められました。
男は事実を知って激怒した娘たちに様々な暴力を受け、娘たちを送り出した後に無理がたたって死んでしまいました。
今回はそんな13又をした男の物語です・・・

最近騎ノ風市に日帰り温泉施設ができた。
この施設はある男が国立公園の近くを掘っていたら偶然湧き出したものである。
男はすぐさまこの温泉を使った事業として騎ノ風市日帰り温泉施設を建築したのである。
東京などの遠くから来る人間だけでなく騎ノ風市民からも高い評価を得た。
日帰り温泉施設なので一流ホテルのような設備はなく料理も出ないが、ビジネスホテルのような客室がいくつかあり、予約すれば自由に使うことができる。
しかもこの部屋個室露天風呂が付いているので大浴場が嫌いな人でも温泉を楽しめる。
今日は1組メンバーが全員で部屋を1つ借りてこの施設を利用していた。
部屋では個室露天風呂に入っている最中の愛麗と愛を除いた全員が集まって話をしている。愛麗と愛以外はすでに温泉を堪能したようである。
環「さすが最新の温泉施設。マッサージいす気持ちよかったわ~!」
柚「大浴場をあまり利用したくないあたしたちでもこの個室露天風呂を使えるんだから素敵な施設よね。」
水「ただ、大きい風呂じゃないから全員で入ることはできないけどな。」
柚「まあそこは目をつむればいいわ。温泉自体は大浴場と変わらないものなんだし。」
嘉「それにしてもよく予約取れたなぁ・・・ここ人気の施設なんやろ?」
奈「そこはわたくしの力で取りましたわ。この施設の温泉を掘るときに天宮城金融が融資してますので。」
水「相変わらず大規模なんだなお前の家は。」
咲「うーん・・・なんか変な感じ。」
陽「さあちゃんどうしたの?」
咲「なんかこの部屋にいるみたいなんだよね・・・幽霊に限りなく近い存在が。」
嘉「怖いこと言わへんでよ・・・」
ア「咲彩サンもデスか・・・実はワタシもなんか変な感じがすると感じていたのデス。」
柚「ラニーちゃんまで・・・っていうことは本物の幽霊がこの部屋にいるって事なのかな。」
エ「まだ冬・・・怪談話するのには早すぎる・・・」
櫻「自分は幽霊の存在自体あり得ないと思うな。」
姫「その通りなのだ。それにまだできて1週間もたっていない施設に幽霊が取りつくはずないのだ・・・」
苺瑠がそこまで言いかけた時、個室露天風呂の中から悲鳴が聞こえた。愛麗の声だった。
咲「らっちゃんどうしたの!?」
咲彩がそう呼びかけると浴室のドアが開き、錯乱中で全裸の愛麗が飛び出してきた。その後ろにはバスタオルを巻いた愛が珍しく声を荒げている。
麗「キャーッ!キャーッ!」
凛「愛麗!せめてタオル巻くか服着てから出てくださいよ!!!」
咲「らっちゃん落ちついて!まずは服着てよ!」
環「こんなに慌てるなんてIQ180もある人とは思えないわね・・・」
愛麗の豊満な体を見た櫻子は冷めたような声でラニーに問いかける。
櫻「なんで神様って体の成長を不公平に決めるんだろうね?」
ア「そんなこと言われても困るデスよ・・・」

しばらくして愛麗が落ち着いたので話を聞くことにした。
麗「あんな恥ずかしい面を見せちゃって・・・悔しくて悲しい。」
咲「大丈夫だよらっちゃん。見なかったことにするから。」
環「それにしてもなんであんなに取り乱して飛び出してきたの。」
奈「何かあったんですの?」
麗「それが・・・あそこ触られて。」
嘉「それってどこやのん・・・?」
麗「胸・・・」
柚「それって夜光が触ったんじゃないの?」
凛「違いますよ・・・私はその時湯船につかっていて愛麗は体を洗っていたんです。」
麗「だから愛が触るっていうのはあり得ないと思う。」
咲「それなら誰が・・・」
水「誰かが風呂に忍び込んで触ったとかか?」
姫「いや、愛麗君の叫び声が聞こえた時点でみんなここにいたからそれもあり得ないだろう。」
柚「ますますわかんなくなってきたわね・・・」
エ「あと考えられるとしたら・・・さっき咲彩ちゃんが言っていた・・・霊がやった可能性。」
環「エレナちゃんそれはないんじゃ・・・」
エ「心霊関係は科学的に証明できないことが多いからいるともいえるしいないともいえる・・・」
柚「つまりは霊が悪さをしている可能性もあるってことよね?」
エ「そう・・・」
水「だが信じがたい所もあるな・・・咲彩、この部屋に本当に幽霊はいるのか?」
咲「ちょっと待ってね・・・」
咲彩は感性を研ぎ澄ませ、霊がいるかを感じ取ろうとする。
咲「・・・いるよ。私と意思の疎通をすることならできそう。」
姫「そうなのか・・・だが、咲彩君だけとのやり取りだと、嘘を吐かれる可能性も考えられるぞ。」
凛「それなら私にお任せください。」
愛はいつの間にか腹部を大きく露出した民族衣装のような服に身を包んでいた。
凛「私たち夜光一族には霊を見えるようにできる方法があるんです。それを使って霊を皆さんにも見えるようにします。」
麗「愛の一族ってそんなことできたんだ知らなかった・・・」
凛「吸血鬼一族の特殊な力です。あまり表に出したくないだけですよ。それでは行きます。仏霊悪霊快心慢心善ノ心・・・」
愛は何かしら念仏のようなものを唱え始める。すると霊の姿がどんどん現れてきた。
霊は大人の男性でよくいそうな中年の男だった。
凛「・・・三心四心五心!・・・終わりました。それとこれはおまけです!」
愛が腕を振るうと、霊はまるで頭を殴られでもしたかのように頭の一部をかかえる。
?「ぐへっ!もうちょっと丁寧にやってくれよ・・・全く近頃の若い娘はなってないな・・・」
凛「愛麗に粗相を働いた罰です。では着替えてきますね・・・この衣装は恥ずかしいので。」
凛世はそう言うと一旦その場から退き、一族の衣装から普通の服に着替えてすぐに戻ってきた。
麗「うわぁ・・・しかも男の霊じゃん。しかも結構年いってそうな中年だし。ってかこいつに胸揉まれたのあたし・・・」
?「中年だと!?俺はまだ42歳だ!」
柚「十分中年じゃない・・・」
櫻「というか死んでるなら年齢関係なくない?」
?「別にいいだろ俺の心は20歳だし。俺を見えるようにしたってことはお前たち俺に何か用でもあんのか?」
麗「あんたあたしの胸もんだでしょ?」
?「いいだろちょっとぐらい・・・お前俺の娘に似てたし。」
麗「良くないに決まってるでしょ!全く霊になっても男は最低なのね・・・ん?娘に似てるってどういうこと?」
?「俺には生前14人の年子の娘がいたのさ。しかもなんだかお前たち全員俺の娘にそっくりなんだよな。」
咲「私たちがあなたの娘たちに似ているってところは置いておいて・・・年子が14人?」
陽「年子の子供が14人ってあり得ないよねえ・・・?」
環「そこんところ矛盾してると思うけど。」
?「ああ、そこか。俺は14又してそれぞれの女との間に1人ずつ子供を設けたのさ。だから14人いるんだよ。」
柚「浮気男だね・・・」
姫「うむ・・・最低なのだ。」
櫻「そんなことばかりしていると生まれ変われないよ?」
?「うるせえうるせえ!俺はさびしい環境で育ったからたくさん子供が欲しかったんだよ!
だけどまさか全員娘だとは思わなかったけどな・・・そうだ!お前たち俺の話を聞いてくれ。」
麗「急になによ・・・あたしたちにはそんな暇ないの!」
凛「愛麗に粗相を働いたあなたのことなど聞く必要はないかと思いますが。」
?「まあまあいいじゃねえか!俺はこんな奴で~」
男は愛と和琴の制止を遮って自分のことを話し始めた。男の無理やりな話によって男のことが大体判明した。
彼の名前は千葉崎零吾。42歳とのこと。生前の職業は教師だが、教師になる前は競走馬の騎手、観光地にある遊覧船の船長、公園の管理事務員などの勤務経験があるらしい。
騎ノ風総合男子大学の卒業生であり、史学科の出身で教師時代は社会科を担当していたとのこと。
また、幼少期の寂しさから子供を大量に欲しがり、たくさんの娘がいたらしい。しかも子供の母親はそれぞれ違う上、同い年の年子であるとのこと。
娘たちの詳細は以下のとおりである。
長女春南(はるみ)・・・咲彩に似ている。美人で気が利くが自らが正しいと思い込み、自分の価値観を押し付ける傾向にある。母親は貴族の家系でありそれを誇りに思っている。現在は企業経営者。
次女真凛(まりん)・・・愛麗に似ている。カチューシャなどのヘアアクセ強いこだわりを持つ。現在は作家。
三女翠子(みどりこ)・・・和琴に似ている。いじめを受けたせいで他人への配慮を一切しない。現在は個人のWEBプログラマー。
四女光(ひかり)・・・水萌に似ている。身長が高くモデル体型。現在はモデル兼女優。
五女萌黄(もえぎ)・・・嘉月に似ている。改造和服が好きで小さいころから自分で作っていた。現在は和服デザイナー。
六女瑠璃奈(るりな)・・・奈摘に似ている。14人の中では一番頭がよかった。現在はエッセイスト。
七女紅羽(べには)・・・苺瑠に似ている。常にフードをかぶっていて引きこもりがち。現在はプロゲーマー。
八女禰恩(ねおん)・・・凛世に似ている。変な名前のせいで零吾を一番恨んでいた。現在はミュージシャン。
九女向日葵(ひまわり)・・・陽姫に似ている。14人の中で思考が一番幼い。現在は保育士。
十女こより(こより)・・・柚歌に似ている。スポーツと家事が得意で器用。現在は大学講師。
十一女藍那(あいな)・・・環輝に似ている。眼鏡をかけていて食事やお菓子を作るのが好き。現在は料理研究家。
十二女紫穂(しほ)・・・エレナに似ている。物静かで騒がしいことを嫌う。現在はガラス細工職人。
十三女セラフィ(せらふぃ)・・・ラニーに似ている。外国人の母のもとに生まれたハーフ。現在は映画監督。
と言った大所帯でこの13人の娘を一人で面倒見ていた模様。しかもこの14人の娘は全員腹違いでいろいろなタイプの子供を欲しがった零吾が
様々な性格、外見などを持つ女性との間に子を設けた結果この様な大所帯になったのであった。
零吾は娘たちが生まれた当初、13人の女性が住んでいる14か所を行き来する生活を送っていたがあることがきっかけで娘たちが12歳の時に零吾の14又がばれ、
14人の女性は零吾に娘を押し付けて、姿をくらましてしまった。父親の真実を知った思春期一歩手前の娘たちは
父親が浮気男だったせいで母親に捨てられたことから、最低の父親に復讐することにしたのだった。
娘たちは零吾を完全なATM扱いし、学費などを払わなければ貴方を殺しますなどと言って脅し、零吾の家に住むことにした。
零吾も教師としての給料だけでは14人の娘の生活費を払うだけ働くのにも限界があった。
金が足りなくなったときは零吾は謝罪したが娘たちは聞き入れず、恨みつらみを言葉にしてぶつけたり、時には零吾の食事を作らないなどの態度を取った。
時には14人がかりで攻撃して来たりしたので零吾は体に鞭を打って教師の仕事だけでなく、他の仕事を副業としてやって働いた。
何とか娘14人を送り出すことには成功したが、身体に無理がたたり零吾は若くして死んでしまったのであった・・・
零「・・・とまあこんな波乱万丈な人生を送ってきたんだぜ。後娘の名前は全部俺がつけたんだ。皆いい名前だろ?」
水「生き方自体は自業自得だな。」
咲「娘さんたちの名前は比較的普通に見えますけどね・・・」
凛「ですが禰恩はないと思います。子供じゃ読めませんよこれ・・・」
麗「ってかこんなクズ親父のもとで育った娘たちが全員成功してるのってなんかすごい・・・」
零「まあ娘たちは俺でストレス解消をしていたからなぁ・・・14人がかりで暴力されたときには死を覚悟したんだぜ。
よくクズ男とか無能人間とか言われたっけなぁ。もう末期の頃には慣れちまったけどさ。」
咲「それでもうあなたのお話は終わり?」
凛「それなら霊界に帰ってもらいましょうか。」
麗「ってかあたしの胸触ったんだし、霊界で罰せられて来い。」
零「いやいやいや、ちょっと待てよお前ら!俺を助けてくれよ~!」
姫「貴様を助けるメリットが我らにはないのだが・・・」
ア「それに人を生き返らせる方法は現代にはないデス。あなたもそれはわかっているはずデスが・・・」
零「それもそうだな・・・悪かったよ、娘たちの様子を見たら潔く地獄へ行くことにするわ。じゃあなお前ら少しの間だけだったけど楽しかったぜ。」
咲「ちょっと待って。完全な蘇生は無理だけど、ここに行けば生まれ変われるかも。」
咲彩はその場を去ろうとする零吾にあるものを見せた。
零「なんだ・・・天罰神社だと?」
咲「うん、生身の人間はいくことはできないけれど自分の人生に後悔している霊が行くと生まれ変われるっていう幻の神社なの。」
零「ほほう・・・ここに行けば俺は生まれ変われるってことかい。」
咲「私もよくは知らないけど、どうしても蘇りたい理由があること、殺人などの最悪レベルのことをしていなければ大半は蘇生が認められるって聞いたけど。」
零「そうなのか!それなら早速行ってみるぜありがとな!俺は蘇ってみせるぞおおおおお!!!」
零吾はそう言うと温泉施設の壁を突っ切って天罰神社があると思われる方向に向かって飛んで行ってしまった。
咲「まって、まだ言い忘れたことが・・・行っちゃった。」
水「言い忘れたことってなんだ咲彩。」
咲「蘇生が認められる認められないにかかわらずと幽霊に出会った記憶は出会った人たちから消えちゃうって噂もあるの・・・
それに蘇生する場合記憶を書き換えた状態で蘇生されるから娘さんたちのことは記憶から抜け落ちる可能性もあるの。」
櫻「だけど娘さんたちからしたら忘れたい最悪の父親だろうし良かったんじゃないかなこれで。」
麗「あたしも忘れるのは別にいいと思うけど。最悪なことされたし・・・」
柚「まあセクハラされた生泉にはありがたいかもね。」
環「なんか疲れたわね~・・・もう帰ろうか?」
姫「うむ、それがいいかもしれないのだ。」
柚「それにしてもボク達なんでこんなに疲れているんだろうね?」
陽「さぁ・・・?お風呂で興奮しちゃったのかなぁ?」
理由のわからない疲れに襲われた愛麗たちはそれぞれの家に帰って行った。
帰りの準備を終えて帰る頃には零吾と過ごした記憶はすっかり抜け落ちていて誰一人覚えていなかった。

一方、零吾は咲彩たちのもとから去った後、自分の感覚と教わった道筋を頼りに天罰神社を探した。
零「うーむ・・・天罰神社なんて本当にあるのか・・・ん、あれはまさか!」
零吾は飛んでいる最中に見つけた森の中に光り輝く場所を見つけた。
零「あれは・・・絶対に天罰神社だやっほおおおお!!!」
零吾は喜んで光の方に飛び込んでいった。まだ蘇る資格があるかどうかはわからないというのに。
零「なんだかここは不思議な感覚のする場所だな・・・」
零吾が天罰神社の境内を進んでいると、何者かが声をかけてきた。
?「ここは現世へ蘇る霊の訪れし天罰神社なり・・・お主、ここに何の用だ?」
零「なんだ急に!お前こそ誰だよ!?」
?「ずいぶん失礼な霊だな・・・私はこの神社を管理している者なり。」
零「ひえーっ!神様でしたか!わたくしの無礼お許しくださいませ!!!」
?「神様・・・まあそれに近いものではあるが・・・お主、ここに来たということは現世に未練があるということなのだな。」
零「そうなんですよ!もう未練たらたらで成仏できなくて・・・」
神「少し待っていろお主のことを調べさせてもらう・・・千葉崎零吾、享年42。生前は高校教師か・・・
お主がここ訪れた理由はわかったが、生前随分身勝手なことをしていたようだな。」
零「身勝手なことですか?」
神「ああ、生前14又の不倫をして、生まれた娘たちに精神的なダメージを与えたようだな。」
零「え・・・それは・・・」
神「まあいい。お主にする質問は一つだ。娘たちへの謝罪と感謝の気持ち。それを持っているか?」
零「もちろんですとも!俺は、こんな喋り方で金を稼ぐことしかできないろくでもない中年親父でしかなかったけれど・・・
娘たちへの思いは本物です!暴力されても自分が悪いと思い、娘たちを不幸にしないようやってきたつもりです!
14又についても反省しています!もし生まれ変われるのであれば、もう結婚ができなくなってもかまわないと思っています!」
神「ふむ・・・おぬしの気持ちはそれで間違いないのだな?」
零「はい!心に誓います!」
神「分かった。反省はしっかりできておるようだしお主の蘇生を認めよう。しかし・・・蘇生にはいくつか条件がある。
まず、お主の元々持っていた記憶はすべて消え失せ、私が作った別の記憶に入れ替わる。当然娘たちのことも忘れるし、娘たちからお主の記憶も消える。
次に、お主は生前結婚、子供関連についてやりすぎた。ここで蘇っても二度と結婚することはできないだろう。
最後に、お主は生前と同じ高校教師として生きることになる。これがお主の蘇生の条件だが、問題ないか?」
零「はい、問題ありません。娘たちは俺の事なんて早く忘れたほうがいいだろうし、14又なんていう本来であれば最低なことをしたんだ。結婚はもうできなくていい。
・・・蘇生、よろしくお願いします。」
神「分かった。はあああああ!!!」
零「ぐあっ、眩しすぎる・・・」
神は輝かしい光を放ち、零吾は光に包まれた。果たして、彼は蘇ることができたのだろうか・・・

愛麗たちが温泉施設に行ってから数日後の水晶学園でのこと。
ア「皆さん大変デス!龍崎先生がしばらく休むことになったそうデス!」
咲「なんでまた急に・・・」
櫻「理由は知らないけど6組の面々も俺が鍛えたからもう大丈夫だ!あいつらは絶対優秀な生徒になる!
だから俺は全世界の困っている生徒を探す旅に出る!しばらく帰らないけど、元気でな!
・・・って手紙を職員室の前を通った時に鮫川先生が読んでいて読み終わったあと頭抱えてたよ。」
柚「あの人も随分勝手なのね・・・」
麗「それで6組の担任は誰がやんのかしらね?赤羽先生かな。」
櫻「職員室での話だとそうじゃないみたいだったけど・・・」
櫻子がそこまで言いかけた時、鮫川先生が教室に入ってきた。
鮫「みんな、席についてくれ。今日は重要な話がある。龍崎が学校を休職することになった。」
凛「龍崎先生はいつごろ戻ってくるんですかね?」
鮫「分からない・・・まああいつのことだ・・・戻ってきても担任の席を開けてやるつもりはないがな。
それで今日から6組担任兼新しい社会科の先生が来ることになったので皆にも紹介しておく。それではよろしくお願いします。」
ただ、記憶は消されていたので誰も覚えていなかったが。
零「吾輩の名は千葉崎。千葉崎零句である。年は43歳だ。担当科目は社会で主に歴史を中心に学んでいる。
もしこの中に歴史研究者になりたいのがいたら、今週から始まる吾輩の授業、歴史研究者向けの深い歴史の授業をとるのであーる。」
なんと、新しい先生は咲彩たちが温泉施設で出会った千葉崎零吾その人であった。名前は零句に変わっており、喋り口調や用紙の細かい所にも違いがみられる。
このことから千葉崎零吾の霊は天罰神社に行くことができ、多少記憶は書き換えられたが無事に生き返ることができたようである。
咲彩たちは温泉施設での千葉崎零吾関連の記憶が消えているので驚くことも無かった。
鮫「千葉崎先生は今後1組の社会科の担当にもなるから今のうちに覚えておくように。」
零「君たちを社会科好きにするのが吾輩の目的だから、出来れば吾輩の授業で社会を好きになってくれれば嬉しい。」
咲「千葉崎先生、ちょっといいですか?私たち先生と初めて会った気がしないんです・・・」
麗「どっかであったことありませんでしたっけ?」
零「君たちにあったことか?・・・それはないと思うな。吾輩は君たちに会うのは初めてだしな。」
鮫「千葉崎先生、お話はその辺にしていただいて・・・」
零「おおっと、無駄話が過ぎたようだな。それでは1組の皆、よろしくお願いするのであーる!」
一度は過ちを犯したが、過去を清算して蘇った中年教師千葉崎先生。彼は水晶学園にどのような風を吹かせるのだろうか?彼の加入によって水晶学園もまた騒がしくなりそうである・・・