選択授業の日の昼下がり。ちょうど3時間目の授業が休講になってしまった愛麗、愛、奈摘の3人は水晶学園の空き教室で会話をしていた。
麗「三人そろって休講になるなんて珍しいこともあるものね。」
凛「こんなこと今までなかったですよね。最近休講になる授業多いような気がしますし。」
奈「おそらく先生方にも色々都合があるのだと思いますわ。」
そんなたわいもない会話をしていると教室の扉を開け、中に誰かが入ってきた。入ってきた人物は陽姫だった。
陽「あ、愛麗ちゃんここにいたんだねえ。」
麗「ハルじゃん。あたしに何か用事でもあったの?」
陽「少しお願いがあるの・・・お姉ちゃんが引き受けた依頼なんだけど・・・」
麗「なんか厄介な案件でも回されたの?」
陽姫の姉は大学生探偵であり、騎ノ風総合大学に通う傍ら市民の様々な依頼を引き受けている。
時折忙しいときがあり、その時は陽姫にも依頼の協力を頼むことがある。
麗「ふむ・・・倉庫にある宝石騎ノ風の涙を守ってほしい、か・・・」
奈「騎ノ風の涙ですのね・・・昔埼玉県(さきたまけん)のとある山で発掘され、騎ノ風市の宝石職人によってつくられた黒ダイヤですわね。
ですが、このダイヤは騎ノ風市の記念館にあると伺いましたが?」
陽「それが、記念館にあるのとは別に依頼主さんが所有しているんだって。」
凛「それって、大金持ちの方の大切な物を怪盗や泥棒から守るみたいなあれですか?」
陽「そうなる・・・かなぁ。」
麗「なんでそんな依頼引き受けてるのよ。あんた警察官じゃないでしょ?」
陽「それは分かってるけど・・・」
麗「ハル優しいもんね。断れなかっただけなのよね。」
奈「萌夏さんも結構むちゃくちゃな人ですわね・・・」
陽「正義感の塊だからねお姉ちゃん。」
麗「まあいいよ。できることは協力してあげる。ただ、これは危険な依頼だからそれなりの報酬はもらうけどね。」
陽「分かってる。何年かかってもお姉ちゃんにきっちり払わせるから。」
麗「了解。それじゃ、あたしたち3人だけじゃ不安だからメンバー集めをしなきゃね・・・」
そしてその日の晩・・・愛麗たちは指定された場所にやってきた。そこは立派な建物ではあったが、倉庫なので人は住んでいないようである。
愛麗は和琴、エレナ、嘉月、柚歌にも協力を要請し、陽姫も合わせて8人体制で黒騎ノ風の涙を守ることになった。
エレナは奥の部屋に設置されたパソコンで侵入者がいないかの確認、そこそこ肝が座っている和琴と柚歌は屋敷内の巡回、
残り5人で宝物部屋にある黒騎ノ風の涙を見張るという体制で警備に当たることにした。
陽「皆ごめんね・・・こんなに負担かけちゃって・・・」
奈「かまいませんわ。アルバイトしていると思えばそんなに辛くないですわ。」
麗「ねえハル、そういえばさ・・・この依頼を出した人ってどんな人?」
陽「うーん・・・わたしも良く分からないんだけど、宝石商している貴族さんって言ってたよぉ。」
凛「宝石商ですか。」
陽「たしか、佐倉デイビッドとかいう人だったと思うけど・・・」
奈「佐倉デイビッドですって!?」
嘉「うわっ、急に大きな声出さへんでよ怖いわ・・・」
奈「あら、失礼いたしましたわ。佐倉デイビットは金融界では有名な宝石商だったので・・・
オーストラリアにたくさんの鉱山を持っていて、そこで発掘した宝石を取引していると前にパーティで見た時言っていましたわね。」
凛「天宮城家主催のパーティに来るぐらいですから相当有名な方なのでしょうね。」
奈「いえ・・・デイビッドの話を聞くようになったのは最近のことでして、それまでは金融界でも全く話を聞いたことがない
人物でしたわ。それに彼には悪い噂がありますし・・・」
陽「悪い噂?なんだか怖くなってきたよぉ・・・」
嘉「その噂ってなんなん?」
奈「ええ、実は彼は・・・」
奈摘が悪い噂を言いかけた時、倉庫中にブザーの音が鳴り響く。
このブザーは大声を出せないエレナが侵入者を見つけた時愛麗たちに知らせるために設置したものである。
麗「エレナちゃんどうかした!?」
エ「侵入者発見・・・この倉庫にすでに潜入している・・・ダクトを通ってこっちに向かっているみたい・・・」
凛「ダクトですって?ここが倉庫なのならエアコンが設置しているはずないのでは・・・」
陽「昔はそこそこ裕福そうな人が暮らす家だったからそれが残ってたのかも・・・」
麗「まずいわ・・・エレナちゃん、和琴と柚歌にここに戻ってくるよう伝えて。」
エ「了解・・・」
?「もうおそいわよん。」
奈「この声は・・・侵入者がここまで来たんですの!?」
麗「姿を見せなさい!」
?「しゃーないわねえ。これだから高学歴の女は嫌いなのよん。」
すると、声の主が現れた。見た目は高身長の男性であるようだが喋り方などに違和感がある。
顔はマスクで隠されており、正体は分からない。しかし、奈摘は彼を見てその正体が分かったようである。
奈「その体格、その喋り方・・・あなた、佐倉デイビッドですわね!?」
陽「そういえばお姉ちゃんがデイビットさんってオカマっぽいって言ってたけど・・・」
?「あら、たしかあんたは・・・天宮城金融のご子息だったかしらん。なんでこんなところにいるのかは知らないけど・・・まあいいわ。
それと残念だけど佐倉デイビッドはアタシの兄の名前よ?アタシはデイビッドの弟。アタシのことはそうね・・・オカマ怪盗Xとでも呼んでもらおうかしら。」
麗「オカマ怪盗とか・・・」
凛「ネーミングセンスないですね。」
オ「うるさいわね!別にいいでしょうが!」
嘉「依頼主の弟のあんたがなんでここにおるんよ?」
オ「それ聞きたい?聞いちゃう?なら教えてあげる!だってその黒騎ノ風の涙・・・兄の物でアタシの物じゃないから!」
凛「ということは西園寺さんのお姉さんをだましたってことなんですか・・・」
オ「まあそうなるわね。アタシが兄だと偽って依頼したわけだから。本当の目的はあんたたちを少しからかうことと優秀だった兄貴への復讐。」
麗「からかう?それってどういうことな・・・」
その時、倉庫内を徘徊していた和琴と柚歌が戻ってきた。
和「南路!戻ったわよ。みんな大丈夫!?」
柚「警報が凄い音でびっくりしちゃたよ・・・」
オ「あら、援軍がいたのん?まあいいわ、よく聞きなさい。アタシは昔水晶学園に入ろうとしたけど、特技が盗みしかなかった。
だから面接で落とされてレベルの低い高校に行かざるを得なかった。結局そこの陰険な校風になじめなくて退学したの。
それなのに何!今ではエリートクラスが存在するですって!?ふざけるのも大概にしてほしいわね!
だから今エリートクラスにいる生徒の姉が探偵やってるっていうから嘘の依頼を出して、その姉には妹にこの事件をやらせるよう頼んだの。
それでのこのこやってきたエリートクラスの生徒を痛い目に合わせる。これがアタシの水晶学園に対する復讐なのよ!」
嘉「要するに逆恨みってことなんやな。」
和「規模ちっさ・・・」
陽「それでわたしのお姉ちゃんに嘘の依頼を出したの?ちょっと情けないかも・・・」
麗「そのエリートクラス制度はもう廃止されていてあたしたちはただの1組ってだけなんだけどね・・・」
オ「うるさいのよ!それにアタシはね、騎ノ風総合大学に1年の間だけ存在した泥棒科を卒業しているのよ!」
凛「泥棒科・・・聞いたことがあります。なんでも騎ノ風総合大学に存在した盗みのプロを育てるための科だったとか・・・」
嘉「そんな科あったんやね・・・」
凛「ですが大学側からは非公認の科であり運営自体も泥棒科の設立者が独自に行っていたので1年でなくなったそうです。
そもそもそのような学科が今でも残っていたら警察に捜査されて騎ノ風総合大学自体が無くなってたと思いますよ。」
奈「そんな犯罪すれすれの科が1年も持ちこたえたのってある意味すごいかもしれませんわね。」
オ「その通りよ黒髪のお嬢さん。アタシは昔から盗みとうそをつくこと以外は点でダメだった。
そのせいで高校を中退したけどその後に泥棒科に拾ってもらったの。アタシは生まれて初めて存在意義を感じたの。
だから、アタシはこの力を盗むことに行かすことにした。これまで色々な貴族の家からたくさんのお宝を盗んできたわ。
それは、アタシをここまで育ててくれた泥棒科の設立者である師匠への恩返しでもあるのよ!だから黒騎ノ風の涙はいただいていくわ!
ついでにずっとエリート全開でアタシを見下していた兄への復讐もできる・・・これこそ一石二鳥ね!」
陽「そうはさせないよぉ。皆、そいつを捕まえて・・・」
オ「あらいいのかしらん?アタシに近づいたら濃厚なキッスをくらわせてやるわ!」
オカマ怪盗は口をとがらせキッスの体制を取った。オカマとはいえ男。柚歌を除く愛麗たちは全員男に嫌悪感を感じているのでこれでは近寄れない。
麗「うっわ気持ち悪い・・・」
和「ふざけんなばか!」
柚「ボクなら大丈夫。だからボクが捕まえるよ!」
陽「だめ!ちーちゃん汚されちゃやだ!」
柚「だけどこのままじゃ宝石を奪われちゃうよ・・・」
エ「汚い人・・・これ使って!」
奥の部屋にいたエレナが拳銃のようなものを6つ放り投げた。
麗「エレナちゃんこれは?」
エ「詳しい説明は後で・・・今はそれでオカマさんを撃って。」
凛「分かりました!」
和「あいつに向かって撃てばいいのね!」
エレナから拳銃のようなものを受け取った愛麗たちはオカマ怪盗に銃を向けて弾をぶち込む。
オ「ちょっ、何するのよ!痛っ、痛いってば!!!」
和「すごい威力ね・・・」
エ「それ鉄で作ったBB弾を使ってるから。しかも実弾じゃないから犯人を殺さなくて済むし大きいダメージも与えられる。
警察でない私たちが悪者退治するのにはもってこい。名付けてBB銃。」
麗「相変わらずエレナちゃんの発明はすごいわね。」
オ「宝さえ奪えればそれで構わないわ!これはもらってくわねうふふ!」
しかし怪盗Xは痛みに耐えながら一瞬のすきをついて台座に置いてある黒騎ノ風の涙を奪い取った。
柚「しまった。やられちゃったよ・・・」
麗「さすがは盗みのプロってことだけはあるわね・・・」
和「関心してる場合じゃないでしょ!あいつを追いかけるわよ!」
奈「陽姫さんと嘉月さんは念のためにここで待機しててください。」
陽「分かったよぉ。」
エ「私も行く・・・さっきBB銃を投げた時にあいつに発信器投げつけたから、このパソコンで追尾できる。」
和「それは心強いわね。行くわよ皆!」
愛麗たちは逃げたオカマ怪盗を追いかける。
一方オカマ怪盗は倉庫の屋根を走っていた。
オ「エリートクラスの生徒たちって言ってたけど大したことなかったわねえ。それにここは兄貴が大切なものを隠している倉庫・・・
もうちょっと中に入ってお宝をいただいていこうっと。これが終わったら外国にいる師匠の所へ行ってお宝献上しないとね。」
オカマ怪盗は倉庫の窓から再び中に入る。しかしそれがあだになってしまった。
麗「見つけたわよ!オカマ怪盗!」
和「あんたもここまでね!」
左側から待機していた愛麗たちが飛び出す。
オ「あら見つかっちゃった。それならこっちから・・・」
オカマ怪盗は右に逃げようとした。しかし・・・
奈「こっちにはわたくしがいますわよ?」
柚「ボクもいるよ。」
今度は右に待機していた奈摘と柚歌が立ちはだかる。
オ「あわわ・・・それなら窓から飛び降りて・・・」
凛「こっちに来ていいんですか?」
エ「あなたはもう包囲されている・・・逃げられない。」
下にはエレナと愛がいた。オカマ怪盗は八方ふさがりになってしまった。
オ「しゃーないわね・・・とうっ!」
オカマ怪盗は窓から飛び出すという選択肢を取った。
オ「じゃあねー美少女探偵さんたち!あははははは!」
オカマ怪盗はどこに仕込んでいたのか機械でできた羽のようなものを背中から出して空へ逃げようとした。
和「ここまで追いつめて逃がすわけにはいかないわね・・・あいつの背中の羽を狙って墜落させるわよ!」
和琴の指示で全員がオカマ怪盗に向かって鉄のBB弾を放つ。
オ「ちょ・・・しつこ・・・ああーっ!」
誰かが撃った弾が機械の羽に命中し、オカマ怪盗はバランスを崩した。
柚「よし、今だ。それ!」
麗「ちょっと柚歌!そんなことしたら危ないわよ!」
柚「ボクは大丈夫!空には逃がすもんか!」
オ「ちょ、あんた何してんの!早く降りなさいってば!」
すかさず柚歌がオカマ怪盗にとびかかる。柚歌は小柄とはいえ回転の速い頭と抜群の身体能力を持っている。
オカマ怪盗の背中にある機械の羽を破壊し、すぐさまオカマ怪盗を踏み台にして窓の方へ戻ろうとする。
柚「よし、このまま窓の方へ飛び移れば・・・あれ、届かない・・・?」
しかし、距離が足りず戻ることができず、そのまま下の方へ落下していく。
柚「うわああああーっ・・・」
和「今泉!」
奈「柚歌さん!」
柚「(やっぱり無茶するんじゃなかったかなぁ・・・)」
柚歌は地面に向かって落ちていく。下にはマットも何もない。しいて言えばエレナと愛がいるぐらい。
このまま死んでしまうかもしれない。そう思っていた柚歌だが・・・ぽすんという音とともに柚歌は柔らかい場所に落下した。そこは・・・
柚「うう・・・助かったのかな?あれ・・・身体が痛くないよ。それにここは?」
凛「間に合いました・・・私がいなかったらどうなっていたことか。」
柚歌は愛が大事な帽子で受け止めてくれたので落下してけがをせずに済んだのである。
エ「もう・・・無茶しないで。」
凛「早く降りてください。私の帽子が壊れちゃいますから。」
柚「ありがとうごめん・・・」
凛「帽子が壊れたら弁償してもらう所でしたよ・・・」
柚「それだったら弁償はさせてもらうよ・・・その帽子いくらしたの?」
凛「私の行きつけの帽子屋さんで大体1万円ぐらいで作ってもらってますけど・・・
今回は別に壊れなかったのでいいです。今泉さんが軽くてよかったです。」
柚「はは・・・壊れなくてよかったよ(高いのかぶってるんだなぁ・・・)。」
一方のオカマ怪盗は落下して屋敷内にある荒れ地に墜落した。
オ「ぐはっ!アタシの美しい顔が~!」
落下した際に顔面からぶつかったので荒れ地で顔を傷つけてしまったようである。
オ「まあいいわ。顔は傷ついちゃったけど、黒騎ノ風の涙はまだアタシの手元にあるのよ。それじゃ、トンずらさせてもらいましょ!」
だがオカマ怪盗はすぐさま立ち直り、黒騎ノ風の泪を持ったまま逃走しようとする。
しかし、オカマ怪盗の周囲には愛麗たちがすでに駆けつけていた。
宝物庫で待機していた陽香と嘉月も加わっているので8対1の状態である。相手が全員少女であるとはいえ、オカマ怪盗に勝ち目はないに等しい。
オ「ちょっとそこどきなさいってば!アタシはこの宝石を売ってこれから幸せな・・・」
エ「逃がさない・・・」
エレナは愛麗たちに渡した銃とは別のタイプのものをオカマ怪盗に向かって撃った。
銃からは網が飛び出し、オカマ怪盗をとらえた。
オ「ちょ、何よこれええええ!出しなさいよおおおおお!」
エ「無理。それ鉄網だからナイフでも切れない。」
奈「エレナさんの新しい発明ですのね。」
陽「鉄の網がそんな小さい銃の中に込められているなんて驚きだねえ。」
エ「漁師さんが使っている鉄網をこういう風に使ったら面白いって思った・・・」
麗「勝負あったわね。いい加減降伏しなさいオカマ怪盗!」
オ「・・・はい。」
こうしてオカマ怪盗は捕まり、黒騎ノ風の涙は元あった場所に戻されてこの奇妙な事件は終焉を迎えたのであった・・・
オカマ怪盗が捕まってから数日後。
この事態を知った佐倉デイビットは陽姫の家を訪れ、謝礼金を持ってきていた。
デイビッド曰く弟がしたことなので自分が責任を取って迷惑料含めた謝礼金を支払いたいとのことである。
黒騎ノ風の涙を命がけで守ってくれた愛麗たちにも直接お礼を言いたいとのことで愛麗たちも集まっていた。
デ「弟がごめんなさいねえ。あの子昔はあんなことするような子じゃなかったのにぃ・・・」
奈「(デイビッドさん自身もオカマ喋りするんですのね・・・)」
陽「そうだったんだぁ・・・」
麗「やっぱり人って育つ環境がすべてなのよね。」
デ「ワタシも30歳なってから宝石商をやって成功した身だから弟のように何かに必死で取り組んでも
結果がついてこなくて絶望してしまうって気持ちよくわかるのよぉ。」
凛「ご苦労されていたんですね。」
デ「確かにワタシは弟より勉強できたけどこの趣向のせいでずっといじめられていたのよ。
だから弟を見下したことも常に幸せな気持ちで生きていたなんてことなかったんだけどねえ・・・
もうちょっと弟の気持ちに寄り添ってあげられればこんなことにはならなかったのかも・・・」
柚「あの倉庫はどうするんですか?」
デ「引き払って別の場所に移すわ。あそこがワタシの宝物庫だってことを知られてしまったらまた別の泥棒が来るかもしれないし。
それじゃ、女子高生のみなさんありがとう。あなたたちと会えてよかったわ。」
デイビッドはそういうと、謝礼金を置いて帰って行った。
陽「それじゃ、謝礼金を配るよお。デービッドさんのメモによると一人3万円ずつだってぇ。」
嘉「臨時収入にしては大きいわなぁ。」
麗「萌夏さんもこれ聞いたら自分がやっておけばよかったって後悔するんじゃないかしら。」
陽「たぶんねぇ・・・お姉ちゃんお金にちょっと弱いからねえ。」
命がけの任務を終えて謝礼金をもらった愛麗たちは再び自分たちの過ごす日常へと戻っていったのだった。
なお、後々の調べによるとオカマ怪盗は泥棒科の卒業生ではあるものの、本格的な盗みは今回が初めてであるということが判明したという・・・