南の島でのハプニング その6

愛麗たちは潜水艦での航海を終え、どこかの海岸にたどり着いた。
麗「エレナちゃん、ここはどの辺りなの?」
エレナは電波がつながるようになった携帯の地図アプリを起動して周辺の確認をしてこう言った。
エ「方向が違ってなければ本州のはず・・・ええと、この海は相模湾みたいだからここは神奈川県の海岸だと思う。」
水「そうか・・・なら帰ってこれたんだな。」
エ「埼玉県(さきたまけん)には海がないから潜水艦で行けるのはここまで・・・ここからは徒歩になる。そして私は運転で疲れた・・・もうだめ。」
エレナはそういうとぐったりして倒れてしまった。
鮫「エレナ、お疲れ様ここまでありがとう。さて、このあたりは・・・国府津駅が近くにあるみたいだな。誰か電車路線に詳しいのはいないか?」
麗「前に新宿まで行ったことはあるけどそこまでしか・・・」
奈「わたくしたち基本的に地元か遠くに行く場合は車での移動が多いから電車に詳しい人はあまりいないと思いますわ。」
鮫「そうか・・・」
その時、和琴がすっと手を挙げた。
柚「あたしなら行動範囲広いからそれなりに分かるわよ。神奈川に来たことはないけどね。」
鮫「それは良かった・・・道案内お願いしていいか?」
柚「いいわよ。それじゃ、まずは国府津駅に向かってそこから・・・」
和琴は自分の持てる知識を使って、電車で騎ノ風市に向かうための案内を始めた。

その後、和琴の案内で何とか上野駅まで行き着いた。しかし、そこからが問題であった。
凛「あら・・・騎ノ風市方面への電車、全面運休ですって・・・」
柚「こんなことありえないんだけど・・・」
嘉「まさか市長はウチらが戻ってくるってこと最初からわかってて・・・」
姫「だが、我らが戻ってきたことをどうやって知るのだ?市長には知る方法なんてないはずなのだ。」
奈「部下が報告したとかでしょうか・・・」
水「自分たちを捨てた主君に有益な情報を送ったりはしないだろう・・・」
咲「それにあの島は尼ちゃんの作った連絡装置を除けばまともな通信手段ないし・・・」
環「その連絡装置も環輝が持ってきちゃったしね。」
姫「持ってきてたのか・・・」
環「今後の研究に使えるかなって思って。」
櫻「旧式の部品で作った即席通信機なんてなんの研究に使うの・・・」
麗「それよりも騎ノ風へ戻るにはどうすれば・・・」
奈「こういう時はわたくしの持てる金で全員タクシー・・・」
柚「そんなことしなくていいから!そうね・・・私鉄ルートを使いましょう。そっちはまだ止まってないみたいだから。」
鮫「それに1日で戻ってこれたとはいえ今日はもう遅い。どこかのホテルに泊まろう。」
ア「それは言い考えデス。ワタシたちは今は休んだ方がいいデス。」
咲「そうですね・・・だけど、この遅い時間で16人泊まれるホテルなんてあるかしら。」
柚「前にあたしが1回泊まって顔見知りのところがあるからそこ行ってみる?」
嘉「そのホテルはどこにあるん?」
柚「本川越駅の近く。ここからちょっとあるけど向かってみる?なんなら今から連絡してみるけど。」
鮫「そうか、なら頼む。少しでも早く着くようすぐに本川越駅に向かおう。」
麗「そうね。その方が無効にも迷惑かからなくて済むし。」
姫「だが日帰りのつもりだったから着替え持ってないぞ・・・」
奈「それならわたくしが皆さんのお好みの服を言っていただければ調達しますわ。」
エ「今はそんなことできるの・・・」
凛「その服どこで買うんですか?」
奈「ネット通販ですわ。これでもわたくしはプレミアム会員ですし、速達で届けるよう手配しておきますわ。配達先も駅のロッカーを使えばいいですし。」
咲「なっちゃんありがとう。それじゃ、早い所本川越駅に向かおうか。みんなもう疲れてるから休みたいだろうし・・・特にエレナちゃんは。」
その後、ホテルの予約は無事にとることができ、部屋も2人1部屋ずつなら用意できるとのことで愛麗たちは本川越駅に向かった。
ホテル自体も駅からそんなに離れておらず、徒歩5分ぐらいで着いた。
愛麗たちはホテルでしっかり休息を取り、次の日にしなければならないであろう決戦に備えた。

そして次の日・・・電車は何事も無かったかのように動いていた。当然ながら騎ノ風市行の電車も普通に走っていた。
愛麗たちは本川越の駅から騎ノ風市行の電車に乗り騎ノ風市に戻ってきた。そこにはとんでもない風景が広がっていた。
男1「ヒャハアアアアア!!!キチガイどもは全員牢屋行だああああ!!!」
男2「全ての人間を平均に合わせることこそが俺たちの未来を安定させるんだ!」
そんなことをほざきながら道行く人々を捕まえている平穏人生の会の工作員が騎ノ風市住で暴れまわっている。
麗「何よこれ・・・」
柚「一晩だけでこんなに様変わりするなんて・・・」
環「おそらく市長は環輝たちを騎ノ風島に送っている隙に平穏人生の会の会員を使って騎ノ風市を制圧しようとしたんだろうね・・・」
柚「あの島に送ればボクたちがここに戻ってこれる可能性はほぼなかったわけだし。」
柚「だけどこうして戻ってこれたんだから、この市の水面下で動く悪は潰さなければならないわ。」
エ「だけど市長って普段どこにいるんだろう・・・」
鮫「たぶん、あそこのビルだろう。」
鮫川先生が指さした方には裏路地にある廃れたビルが見えた。
鮫「あそこは前から平穏人生の会のアジトではないかと言われていたビルだ。市長がいるとすればあそこの最上階だろう。」
ア「だけど、あそこにワタシたちだけで行くんデスか?ワタシたちを生贄にした市長のことだから最悪殺されるかもしれないんデスよ!?」
咲「そうだけど・・・この問題は生贄扱いされた私たち自身で決着をつけたほうがいいと思うの。」
水「それに複数人で向かうよりも全員で向かった方がいいとアタシは思う。数が多いほうが色々と有利だしな。」
麗「今あそこを責めれば市長ごと平穏人生の会を潰せるんでしょ。あたしは鶴来奏への恨みがあるから早いうちに決着したいのよね。」
凛「早くしないと、騎ノ風市の人たちは私たちみたいにどこかの島へ追放されてしまう可能性だってありますよ・・・」
柚「騎ノ風警察も捕まったりしている人の救出が最優先みたいでそっちの調査には手が回ってないみたいだしね。」
鮫「なら、保護者として私がついていかないわけにはいかないな。それと万が一のことを推定して私が騎ノ風警察にも連絡をしておく。ビルはこっちだ!行くぞ!」
鮫川先生の案内で市長のひそむビルへ向かっていく。

5分後・・・愛麗たちは廃ビルの入口近くにいた。ビルの入り口には怪しい男たちが大量に出入りしていた。
男3「遂に市長様が本性を現してくださった・・・ここまで長かったなぁ。」
男4「全くその通りだぜ。だけどもうすぐこの騎ノ風市は弱肉強食の戦場のような街になる。」
男5「才能もなく女尊男卑で苦しんできた俺たちにもついに光が当たるときが来たんだな。」
3人の男はそんな話をしながら表路地のほうに向かっていった。
鮫「今なら見張りはいないぞ!突入だ!」
鮫川先生の突入指示で1組メンバーたちは一気に2階まで駆け上がっていった。
2階に上がるとドアが3つあった。
麗「5つもあるのか・・・あれ、なんか張り紙がある。ええと、『全ての部屋を攻略しないと最上階へは行けませんよアハハ・・・』だって気味悪い。」
鮫「危険だが・・・手分けして探るしかなさそうだな。こっちは15人だから5人ずつ手分けして探るんだ。」
話し合いの結果、愛麗、凛世、和琴、奈摘、嘉月が1のドア、ラニー、櫻子、柚歌、陽姫、鮫川が2のドア、咲彩、水萌、苺瑠、環輝、エレナが3のドアへ行くことになった。
それぞれのドアの中に入る前に鮫川先生は皆に声をかける。
鮫「それじゃ、各自決められたドアの中に向かってくれ。無事を祈ってるぞ!」
全「分かってますって!」

ラニーたちの入った2のドアの中には見慣れない女性がいた。
?「久しぶりねあなたたち・・・」
鮫「誰だお前は!」
ア「それに久しぶり?あったこともないやつが何言ってるデス?」
?「ラニー・・・お姉ちゃんのこと忘れたのかしら?」
ア「まさかあなたは・・・」
柚「お姉ちゃんっていうことは・・・」
?「そ。私はジェシカ・フェダーク。一回は脳だけの姿になったあなたの姉です。」
櫻「まだ生きてたんだ・・・往生際が悪いね。」
陽「(脳だけだったはずなのに体もらうまでどうやって生きていたのかなぁ・・・)」
ア「嘘デス!あなたは培養液が漏れてそのまま死んだはず・・・」
?「あのあとボスが救出してくれて裏世界の科学者に頼んでアンドロイドの体を作ってくれたのよ。それに幹部にまでしてもらって最高よ!この体・・・私の脳信号もしっかりと受け取って動いてくれるし、最高よ。さてと・・・ここに来ているってことは私たちのボス・・・市長様に用事があるってことよね。だけどそれは叶わないわ。私がここで全員始末するんだから!」
ジェシカはそういうと猟銃を構えて一直線にラニーに向かって襲い掛かる。
ア「ぐっ・・・」
櫻「ラニーちゃん!!!」
ジ「ほーらラニー・・・この引き金を引けば銃弾があなたの頭を貫通して死ぬのよ~?」
ア「やめてくだサイ・・・あなたが息苦しかったことは妹のワタシがわかってますから・・・」
ジ「今更わかりきったようなこと言ってんじゃないよ。親は頼りにならないし11人も妹がいるなんて私からすれば苦痛でしかなかったんだから。
さて、死ぬ準備はできたかしら?それじゃ、地獄に落ちな、醜い妹・・・」
ジェシカがそう言いかけ、銃のトリガーを引こうとしたその時・・・
櫻「いい加減にしなよ!姉という立場にかまけてラニーちゃんを殺そうとするなんて最低だよ!」
陽「わたしも妹だからお姉ちゃんには頼りがちになっちゃうけどその考えは間違ってると思う!」
櫻子と陽姫はそう言いながらジェシカに体当たりを食らわした。急な攻撃にジェシカは銃を落としてしまう。
ジ「孤児の分際で・・・お前から殺してやる!」
ジェシカの怒りが櫻子に向いた次の瞬間・・・
鮫「おっと私がいるのを忘れてもらっちゃ困るな!」
取り落とした猟銃を持った鮫川先生がジェシカに狙いを定める。
鮫「行くぞ!ラニーに櫻子に陽姫、そいつから離れるんだ!」
鮫川先生はそう言うと猟銃のトリガーを引き、ジェシカに向かって一発撃った。銃弾はジェシカの右腕を破壊した。
ジ「アア・・・アガ・・・」
ジェシカは壊れた右腕を抑えながらその場に倒れ込む。
鮫「柚歌!足を頼む!」
柚「分かりました!それええええ!!!」
鮫川先生の背後から走ってきた柚歌はジェシカの足を蹴り飛ばし、ジェシカを転倒させる。地面にたたきつけられた衝撃でジェシカの足はダメージを受け、立つことができなくなった。
鮫「やはりな・・・アンドロイドの体だから実際の腕を破壊された時と同じぐらいの痛みが走っているんだろう。」
ジ「キサマら・・・なぜそれが分かる・・・」
鮫「アンドロイドの体と自分の脳で動いているという言葉を聞いてからさ。だから神経系も同じように脳と繋がってるんじゃないかなって思ってね。」
ア「片腕と両足が壊れればもう猟銃を撃つことはできないデス!命までは奪わないデスから・・・早い所最上階へ行く方法を教えるデス。」
ジ「・・・そうね。今回は私の負けだし市長を止めたいならこれを持っていきなさい。」
ジェシカは欠片のようなものを取り出すとそれをラニーに向かって投げて渡す。
櫻「これは・・・?」
ジ「それを5つ集めてとある場所にはめ込めば最上階への道が開かれるわ。とある場所がどこかは自分たちで探しなさい。」
ア「そうデスか・・・ありがとうございマス。」
ジ「ふん・・・礼を言われる筋合いはないわ。」
鮫「よし、早く行こう!」
欠片を受け取ったラニーたち5人は足早に部屋を出ていった。
ジ「私もまだまだって事かしらね。」
ジェシカは誰もいなくなった部屋でそうつぶやいた。
?「残念だよジェシカ。生き返らせて幹部にしてやったのにあんな奴らに負けるなんて情けない。」
ジ「ボス・・・うぐっ・・・」
ジェシカの意識はそこで途絶えた。

愛麗たちが入った1のドアの中には良く見慣れたあの人がいた。
?「よう・・・久しいなお前ら。ボスの策略で島でのたれ死んだかと思ってたのにな。」
麗「・・・芝原先生、もう表立った活動はしていなかったんじゃなかったんですか・・・?」
芝「あたりめーだろ。だがな、組織のボスが動けと言ったら動く。それが私のやり方なんでな!」
芝原先生はそういうと、自作の生物を呼び出す。呼び出されたスライムは粘液を振りまき、愛麗たちはそれをなんとか回避する。
麗「みんな大丈夫!?」
凛「私は何とか・・・」
柚「あたしもなんとかね・・・だけど、粘液が当たった部分の床が解けてるわ・・・」
芝「お前らの服だけじゃなくて体も溶かすように改良したんだよこいつ。これでお前らも終わりだ・・・そして平穏人生の会が中心の平等社会が始まるのさ。」
奈「ふざけたこと言わないでくださいまし!あなたたちのやっていることは他人への価値観の押し付けでしかないですわ!」
芝「まあお前らとは前から分かり合えないと思ってたしな、ここで決着をつけてやるよ。スライムやれ。」
スライムは粘液を愛麗たちに浴びせようと準備を始めた。
麗「(まずい、あれを受けたら死ぬ・・・どうすれば・・・そうだ!)」
麗「和琴、サバイバル用品で熱を出せる物ない!?」
柚「急に言われても・・・これならあるけど。」
和琴が渡したのは携帯用のヒーターだった。
麗「これで・・・スライムを蒸発させる!それしか勝ち目はない!」
愛麗はヒーターのスイッチを入れて、それをスライムに向ける。
芝「ハッ、そんなんじゃ私のスライムは死なねえんだよ。」
しかし、強気な芝原先生とは裏腹にヒーターをあてられたスライムの動きは徐々に鈍り始めた。
芝「動きが鈍ってるけど、チャージは終わったみたいだ。行けスライム!粘液を発射しろ!」
芝原先生の指示でスライムは粘液を発射しようとした。しかし、いくら待っても粘液は発射されなかった。
芝「おいスライムどうしたんだ・・・」
それもそのはず愛麗がヒーターで乾燥させていた部分はちょうどスライムの粘液を製造する器官だったのだ。
そこを乾燥させたのだから、粘液の発射などできるはずもない。
芝「おいスライム・・・」
スライムは完全に機能停止し、反応しなくなってしまった。
柚「今よ、スライムがなければあなたが何もできないのは知っている!」
芝原先生は和琴によって取り押さえられた。
嘉「センセ、最上階への生き方教えてくれへんか?でないと、この前の事と今回のこと警察にばらすで?」
凛「警察とも約束したんですよね?教員として活動を続けたいのなら今後組織の悪事にかかわるのは辞めろって。」
芝「くそ・・・持ってけ!」
芝原先生は小さな欠片を愛麗に向かって投げた。
芝「それはボスのところへつながるカギだ。だけど3つ必要だからそれだけじゃ何も役に立たないけどな。」
麗「これがか・・・」
嘉「愛麗ちゃん早よいこ!他のみんなも待っとるやろし。」
麗「そうね。行くわよ。」
愛麗たちは部屋から出ていき、部屋には芝原先生が取り残された。
芝「ふん・・・まさかあんな携帯ヒーターで私のスライムを機能停止させるとはね・・・そのまま自分の信じる道を歩んでいけばいいさ。」

咲彩たちの入った3のドアの中には高齢の男性がいた。
?「ふふふ・・・ここに来たということは、ボスに会いに来たんだろ君たち。」
姫「貴様誰なのだ!」
?「わしは平穏人生の会幹部にして科学技術の頭、ドレイク海造だ。」
咲「ドレイク海造・・・あ、確か数年前に通信ツールを開発した研究者・・・
ド「そ、新世代通信ツールの「ハイテク」を開発し特許を取ったそのドレイク海造で間違いないよ。」
水「そのドレイク博士が何でこんなところにいるんだよ。」
ド「ボスがわしの腕を買ってくれてね。この組織に協力する代わりに好きなだけ研究をさせてくれることになったんだ。」
環「つまり悪魔に魂を売ったクズ科学者ってことか・・・」
エ「最低・・・」
ド「ふん、いくらでも勝手に言うがいいさ。それよりも、わしと勝負をしないか。勝てたらボスのところへ行く方法を教えてやるよ。」
エ「分かった引き受ける・・・」
咲「そうだね。ここまで来たのに引き下がれないよ。」
環「腐りきった科学者になんか負けるわけにはいかないわよ。未来の研究者としてね。」
ド「ふん、君は研究者なのか。ならちょっと難しい問題出すか・・・これ解いてみな。」
ドレイクは一冊の本を咲彩たちの前に放り投げた。
ド「そこに書いてある問題解けたらお前らの勝ちだ。だけど制限時間は30分。その間に解けなければわしの勝ち。君たちをボスのところへ連行だ。それじゃ、始め。」
咲彩たちは問題集に目を通す。問題が書かれた本にはDNAの組織図や遺伝子図のようなものが書かれていた。しかしそれよりも気になったのは・・・
環「これ全部難しい書き方の英語で書かれてるわねこれじゃ環輝読めないわ・・・咲彩、何とか読めない?」
咲「私は無理だけど・・・みなちゃん、確か英語読めたよね?これ翻訳してくれない?」
水「ああ、ちょっと読んでみるよ。」
水萌は5分ほどで本に書かれた英語の翻訳を行った。
ド「早くしないと時間切れになっちゃうよ~?」
水「急かすな!・・・ええと翻訳できたぞ。」
姫「なんて書いてあったのだ?」
水「ええと・・・ここに紫の花と白い花と青い花を咲かせる花の遺伝子図式がある。紫色の遺伝子は白色の遺伝子に対して優勢である。青色の花の遺伝子は白色の花と紫色の花両方に対して劣性である。
紫の花の遺伝子をA、白い花の遺伝子をB、青い花の遺伝子をCとした時、紫の花ABと白い花BCとの間に咲く花の色のすべてのパターンを求めよ。・・・なんだこれ中学校の生物レベルじゃないか。」
咲「問題がわかれば大したことないね。咲く可能性のある遺伝子型はAB、AC、BB、BCの4通りだよ。」
姫「うむ、咲く可能性のある花の色の遺伝子はAB=紫、AC=紫、BB=白、BC=白になるな。」
エ「つまり答えは・・・」
環「紫50%、白50%、青0%よ!」
ド「正解だ・・・お前らなんでこんなに難しい問題がわかるんだ!?というか英語ができる奴がいるなんて聞いてない・・・」
水「天才科学者とはいえそこは盲点だったな。」
咲「私たちはこれでも倍率10倍で偏差値75以上ないとは入れないの水晶学園に入学してるんだよ?」
姫「(我だけは特別措置だったがな・・・)」
環「まあ問題は解いたんだし私たちの勝ちね。」
エ「早くボスの居場所・・・」
ド「分かったよ。これ持ってけばわかるだろうよ。」
ドレイクは咲彩に欠片のようなものを渡した。
咲「これは・・・?」
ド「わしもよく知らされてないからわからないけどボスの部屋に通じるものなんじゃと。それ持ってけばたぶん行けるだろ。」
咲「分かったわ。行きましょみんな。」
咲彩たちは欠片を受け取ると部屋を後にする。部屋では残されたドレイクが嘆いていた。
ド「あーあ、もっと生物も勉強しておけばよかったなぁ・・・」

3つの部屋で謎のかけらを受け取ったメンバーは2階の階段前に戻ってきた。
鮫「みんな無事か!?」
咲「ええ・・・私のところは全員無事です。」
麗「あたしのところも何とか・・・」
鮫「そうか・・・私たちは部屋でこんなやつを受け取ったんだが、これがボスの部屋につながるカギらしい。」
鮫川先生はそういうと、ジェシカから受け取った欠片を見せた。
麗「それあたしももらった。」
咲「私も・・・」
愛麗と咲彩も欠片を取り出す。すると、3つのかけらが光り始めた。
水「何が始まるんだ・・・」
3つの欠片は合わさると、1つの円盤になった。円盤はふわふわと飛んでいき、近くにあったエレベーターの壁の丸いくぼみに収まった。
姫「あの欠片はあそこにはめるものだったのか・・・」
円盤がはまるとその場で地面が揺れ、隠されていたエレベータが姿を現した。エレベータの横にはボスの部屋直通と書かれていた。
麗「やってすべてが終わるのね・・・」
鮫「たった2日間だったけど騎ノ風島で遭難してから長い時間に感じたな・・・よし、決着を着けに行くぞ!」
愛麗たちはエレベーターに乗り、市長の待つ最上階へ向かった。愛麗たちを振り回した市長との問題はついに決着の時を迎える・・・